若い男/もうひとりの娘

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若い男/もうひとりの娘

  • ISBN:9784152103314

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内容説明

親子ほど年の離れた男との熱愛のさなか、脳裏をよぎる若い頃の記憶と死の想念を冷徹に描く「若い男」。自らの誕生につながった姉の死の秘密を緊密な文章でつづる「もうひとりの娘」。生と性と死を書き続けて半世紀となるノーベル賞作家の最新作を含む2篇所収

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

90
著者自身の人生の一部を描いた作品である。 自伝的な内容を 不可思議な視点で描く。 三十歳近く年下の男との恋愛、姉の死の秘密を 描き切る筆致は潔い。 熟年期に入って書かれたこの二つの物語は、まるで過ぎしの思い出をしっかりと噛みしめるように描かれている…そんな印象だった。2024/10/20

ネギっ子gen

58
【もし私がそれを書かなければ物事は完遂しなかった。体験されただけにとどまった】親子ほど年の離れた男との熱愛を描く『若い男』は、2022年にノーベル文学賞を受賞される直前の作品。学生とのぎこちない一夜。<私はしばしば、自分の気分を強制的に執筆へと向けるためにセックスをした。行為の後の疲労感と孤絶感の中に、人生にもはや何も期待しない理由を見つけようとしていたのだ。最高度に激しい期待、オルガスムスへの到達の期待の終わりを経て、本を書く喜びにまさる喜びはないという強い確信を自分が得られるようにと願っていた>と。⇒2024/10/18

ヘラジカ

50
「若い男」はエッセイのように軽く読めるにも拘わらず、アニー・エルノーという作家のエッセンスを存分に味わうことが出来る洗練された短篇。「もうひとりの娘」は、不在という存在、あり得た未来、黙秘された秘密によって形作られた生の一部(または作家としてのキャリア)を見通す簡潔にして重層的な名作である。思わず呑まれてしまうような傑作。内省的なのに親密感を覚えてしまう恐るべき筆力だ。全く好きではない作風やテーマだと思っていたのに、この作家の作品をもっと読みたくて堪らなくなった。これから益々邦訳が進むことを期待して。2024/05/22

セロリ

41
どちらもストーリーではなく、著者の体験と内面が綴られている。『若い男』は、30歳近く年下の大学生との交際について。若い女と中年男の組み合わせには向けられない蔑視を受けながら、恥ずかしいなどと微塵も考えない著者は素敵だ。そして、若い男の顔を正面にしていると自分の顔も若いと思える快感に男達はずっと前から気づいていたんだ、との記述に納得した。『もうひとりの娘』は、自分が生まれる前に亡くなった姉への手紙だ。生きられなかった姉について、娘を失った親について、信仰について・・・内的な著述で私は難しく感じた。2024/07/29

ぽてち

34
タイトル通りの2篇を収録した本。「若い男」は、54歳の女性作家が30歳近くも年下の男との性愛にのめり込む話。とはいえ別段エロさはなくて、いろいろと深い洞察に顔がニヤつく。『事件』とも繋がる。「もうひとりの娘」は、自分の生まれる前に亡くなった姉へ宛てた手紙の体を取っている。10歳になるまで姉がいた事実を知らず、両親は頑なに口を閉ざしたまま亡くなった。わずかな手がかりと豊かな想像力で姉の存在に思いを馳せ、父親と母親の真実を考える。2024/06/05

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