岩波現代文庫<br> 増補 教育再生の条件 経済学的考察

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岩波現代文庫
増補 教育再生の条件 経済学的考察

  • 著者名:神野直彦
  • 価格 ¥1,243(本体¥1,130)
  • 岩波書店(2024/05発売)
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  • ISBN:9784006033460

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内容説明

日本の教育の危機は,学校教育の危機であるにとどまらず,日本社会の構成員を育成するのに失敗しているという社会全体の危機でもある.工業社会から知識社会への転換点でもある今,どのような教育改革が必要とされているのか? スウェーデンの事例などを参考に考察し,真に教育を再生させる道を提示する.(解説=佐藤学)

目次

第一章 歴史の「峠」における教育危機
1 学校教育の危機と教育危機
2 教育危機と社会危機
3 教育危機と教育改革
4 危機としての歴史の「峠」
5 競争社会と協力社会
6 新自由主義の競争社会
7 所有欲求と存在欲求
8 教育による産業構造の転換
9 歴史の「峠」における教育改革
第二章 教育の意味を問う
1 「盆栽型」教育と「栽培型」教育
2 人的資本論とシグナリング理論
3 アダム・スミスの教育論
4 教育の分裂
5 三つのサブ・システムの分離
6 財政による公教育の成立
第三章 学校教育の展開
1 公教育の誕生
2 教育目的としての国民形成
3 公教育の義務化と無償化
4 学校教育の両義性
5 イリイチの脱学校化
6 「学び」の運動
7 学校教育から「自己教育」へ
8 学校教育の再創造
第四章 学校教育の行き詰まり
1 学校教育の失敗
2 統合機能の破綻
3 動機づけとしての企業教育
4 高等教育の機能不全
5 学校からの逃走
6 働きからの逃走
第五章 工業社会から知識社会へ
1 知識による「量」と「質」の転換
2 「カルチュア」としての教養
3 知識資本の蓄積
4 学校教育への競争原理の導入
第六章 知識社会における学校教育
1 教育体系への参加保障
2 「金さえあれば」か「ただで」か
3 学校教育の外延的拡大
4 共同事業としての学校教育
5 学校教育の内包的充実
6 「勉強」から「学び」へ
7 やり直しの利く学校教育
第七章 知識社会における教育の体系化
1 学校教育と成人教育
2 成人教育の展開
3 学びと働きの懸橋
4 学び合う運動
第八章 「学びの社会」へのシナリオ
1 アンビバレントな学校教育
2 基軸としての学校教育
3 国民の国民による国民のための教育
補 章 「教育再生の条件」再論
1 「十年一日」の如き教育改革
2 繰り返される新自由主義の教育改革
3 オルターナティブとしての「協力社会」への教育改革
4 「ソサエティ5.0」を目指す教育と知識社会の教育
5 進まない「誰でも」学べる社会
6 再び教育再生を考える
引用・参考文献
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
解 説……………佐藤 学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

呼戯人

11
重化学工業を基礎にした産業社会における教育からポスト工業化社会つまり知識社会への移行を主眼にする教育の在り方を考察した名著。私は鶴見俊輔の「教育再定義への試み」それに内田樹の「下流志向」と並ぶ平成時代における教育に関する3大名著に思える。教育の危機は、社会全体の危機であり、それを乗り越えるには知識社会にふさわしい「誰でもどこでもいつでもただで学べる社会」を作る必要があり、そういうスウェーデン方式の新しい教育の試みが必要であることを丁寧な議論で論証している。2025/02/09

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