内容説明
考古学者は,探偵のように推理する.昔の人たちはどんな道具を使い,何を食べ,どのように暮らしていたのか? そして近年,人類学,動物学,植物学など異なるさまざまな分野と力を合わせることで,考古学はめざましく進歩している.いま第一線で活躍する研究者たちが,それぞれの専門分野を手がかりに,縄文時代の扉を開く!
目次
はじめに
縄文時代の時代区分
I章 考古学とはどんな学問か
1 縄文時代の考古学とは 阿部芳郎
2 縄文時代とはどんな時代か 阿部芳郎
II章 縄文土器とは何か
1 土器で調理したものは何か 米田穣
2 縄文の塩作り 阿部芳郎
III章 縄文人が食べたもの
1 貝塚からわかる縄文のくらし──動物考古学 樋泉岳二
2 植物の利用からわかってきたこと 佐々木由香
IV章 人骨と土偶が語る縄文人のくらし
1 人骨からわかる縄文人の食生活 米田穣
2 土偶とは何か 阿部芳郎
V章 なぜ研究者になったのか──縄文時代研究の魅力とは
考古学はわたしの人生の道標 阿部芳郎
霊長類・ネアンデルタール・縄文土器 米田穣
くらしの考古学を探る 佐々木由香
遺跡から出土する貝・骨は宝の山 樋泉岳二
おわりに
参考文献・図版出典
執筆者紹介
章扉イラスト=サトウナオミ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
50
文献のない時代を知るには考古学が必要。古事記にも日本書紀にも、現実の縄文時代についての記述はない。昔は縄文土器を形や文様で分類するだけだったのが、今やこびりついた有機物や、表面に残った植物の圧痕の分析があたりまえの時代になった。同位体の分析も年代測定に限らない。そういう見方ができるのか、と驚いてしまう研究手法も使われている。ここまでくると縄文人の生活を、ある程度は復元できるのではないかと思うし、彼らの思考も想定できそうだが、遮光器土偶などの印象から早とちりしないように用心は必要だろう。そのための考古学だ。2024/05/05
コーデ21
19
<動物学、植物学、人類学など異なる分野で活躍する研究者たちが、それぞれの専門分野を手がかりに縄文時代の扉を開く>ジュニア対象のためか、平易な言葉で縄文時代の最新情報をわかりやすく書かれており、とても楽しく読めました♬ 最終章の「なぜ考古学者になったのか」は、それぞれの研究の魅力をあますところなく伝えており、若い世代が今後の進路を考えるうえで良き指針となりそうです✨️2024/08/13
びっぐすとん
18
図書館本。考古学の世界も日進月歩で、かつて学校て習った定説も今では覆されていることがよくある。更に最近は分野を超えて考古学以外の研究者との連携や考古学自体に新しいジャンルが出来るなど、目覚ましい進歩に驚かされる。貝に刻まれる年輪で採られた時期がわかったり、土器の小さな穴にシリコンを入れることで種実や虫の痕跡を探ったりと、かつてよりはるかに縄文の暮らしがわかるようになったとはいえ、まだまだ謎だらけだ。ヒトがどのように暮らしていたか、それが今にどうつながるのか、今後も興味が尽きない話だ。2024/05/03
Minamihama
16
明日からの三内丸山遺跡見学旅行の予習として。2024/05/13
ヘビメタおやじ
8
自分の知識、特に歴史についての貧弱さを思い知らされました。縄文時代が、一万年も続いていたということすら知りませんでした。西暦を考えると、人類の進歩のスピードに対して、縄文の生活がその5倍も続いたと思うと、気が遠くなる感じです。人体遺骨から食べていたもののだいたいが予測できるということにも、研究の進歩に驚きました。狩猟採集を中心にして、どんな人間生活をしていたのか、より明らかになることを期待します。土偶についても話題になった「あの説」に感心した私ですが、学問上は問題も多いことも知ることができました。2025/02/05
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