ジャック・デリダ - 死後の生を与える

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ジャック・デリダ - 死後の生を与える

  • 著者名:宮﨑裕助
  • 価格 ¥4,070(本体¥3,700)
  • 岩波書店(2024/05発売)
  • ポイント 37pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000613859

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内容説明

脱構築の名のもと,新たな問いの領域を生涯にわたり開拓し続けた,現代思想最後の巨星.没後15年を経て,その影響はなお衰えをしらない.日本ではいまだ知られざる後期の思想,そしてさまざまな局面に波及する脱構築思想の広がりを一望し,その可能性を解き明かす.すべての読者に開かれた,新たなる入門の書.

目次

序 論 いまここにある死後の生
1 「私は私自身と戦争状態にある」
2 翻訳としての死後の生
3 遺産相続としての死後の生
4 デリダ小伝および思想の概要
導入部 差延としての死後の生
第1章 差延,あるいは差異の亡霊――ソシュールからデリダへ
1 「差異」から「差延」へ
1.1 差異の原光景
1.2 差異のジレンマ
2 「差延」から「差異」の時間性へ
2.1 差異の亡霊
2.2 差異化と差延
3 デリダとソシュールのあいだ
第Ⅰ部 政治的なものの亡霊的起源
第2章 国家創設と署名の力――「アメリカ独立宣言」をめぐって
1 パフォーマティヴとしての独立宣言
2 署名の反覆可能性
3 寓話としての国家創設
4 「権威の神秘的基礎」と暴力の両義性
5 アメリカのもうひとつの名
Post-scriptum「行為遂行的」(パフォーマティヴ)から「倒錯遂行的」(パヴァーフォーマティヴ)へ
第3章 自己免疫的民主主義――来たるべきデモクラシーの条件
1 民主主義の差延的構造
1.1 自己支配
1.2 多数支配
2 「自己免疫」の由来と背景
3 不可視なる「敵」の拡散
4 デモスの情動的な生
第4章 プロフェッションとしての言語行為――亡霊化する労働の行方
1 「喪の作業」としての労働
2 労働のヴァーチャル化とグローバル化
2.1 「あたかも~かのように」
2.2 「労働の終焉」
2.3 「世界の起源」
3 プロフェッションとはなにか
4 「資本の言語」から「プロフェッションの言語」へ
第Ⅱ部 人間と動物の生-死
第5章 動物と生政治への問い――猫のまなざし,ハリネズミの傷痕
1 動物権利論の人間主義
2 動物愛護論者デリダ?
3 動物的生を捉える生政治への問い
4 デリダ的生政治分析にむけて
4.1 動物=パッション
4.2 動物=エクリチュール
第6章 人間/動物のリミトロフィー――デリダによるハイデガーの動物論講義
1 人間主義の回帰
2 動物的貧しさの両義性
3 動物的生の「本質的な震撼」
4 「として構造」を媒介する痕跡の構造
5 自伝的動物,あるいは動物の見る夢
第7章 ひとつの生,ひとつの生き延び――ドゥルーズ/デリダ
1 動物は愚かさから守られているか
2 生の思考における差異
2.1 純粋内在としての生
2.2 生き延びとしての生
3 生のパルタージュ
第Ⅲ部 来たるべき共同体への信
第8章 他者への応答責任――死を与えるキルケゴールとデリダ
1 「決断の瞬間はひとつの狂気である」
2 『おそれとおののき』の諸問題
2.1 犠牲
2.2 倫理の切断
2.3 秘密と責任
3 イサク奉献解釈の読み換え
4 責任の遍在化と無責任化
5 信の秘密を分かち合うこと
第6章 呼びかけとしての友愛,哀悼としての友愛――アリストテレスの友たち
1 アリストテレスの失われた箴言
2 アガンベンの文献学的批判
3 友愛の根源的パフォーマティヴ
3.1 完全な友愛の自己廃棄
3.2 友愛のミニマル・コンセンサス
3.3 友愛の反覆可能性
4 はじめに死者たちへの愛があった
終 章 家族への信――絆のアポリアについて
1 家族の本質なき定義
2 不在の父,複数の母
3 非嫡出的なものへの愛
4 子どものファンタスム
初出一覧
あとがき――死後の生を与えなおすために
用語リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

8
親による認知を哲学的に論じたりしたデリダの隠し子はのちのフランス首相ジョスパンの手で育てられ就任時に騒ぎを呼んだ人間関係が、大オチ。父なるロゴスから捨てられた非嫡出子にエクリチュールを喩える等、もはや単に抽象的な議論だとは思えない生と思想の重なり合いを語り続けたデリダの、超越論的シニフィアンと散種でも正義と脱構築でもない倫理的議論を辿り直していく研究。大文字の正義や他者が見えなくする個別の問題を取り上げてる中、「ここで『北斗の拳』の聖帝サウザーのエピソードを想起することは唐突だろうか」と脱線し始めて唐突。2020/09/18

古義人

4
後期デリダは厄介な代物だなぁという印象。後期はほとんど体系的な仕事をしておらず、講演録や小著で、それも仄めしのよつな形でばら撒かれた可能性を最大限組み取らないといけないらしい。もっとも、それこそ「遺産相続」としての「死後の生」に他ならないのだけど。初期のデリダがソシュールから差延のアイデアを引き出す過程を析出した一章はとても為になった。2020/11/19

でっさん

2
全編面白かったが、あとがきにとても感動した。統御不能な痕跡が、資本やテクノロジーに簒奪されない死後の生を見出すのではないかと。差延についての説明もとても分かりやすい。2020/08/17

kentaro

2
最良のデリダ入門かつ、政治/労働/動物/倫理/家族、、、という問題の深さ。特に、デリダ=現代思想=生活と関係ないもの、と思っていた私のような人にこそ読んでいただきたい。⚫️私の生とは、みずからの死との抗争の後に、その死後に生き残った「生き延び」としての生なのである。2020/06/22

yu-onore

1
ある形で生を得たものが、それ自身を越えるような別の生を得ていく、そういった生き延びの可能性を見た。言語体系の差異に亡霊のように取り付く差延、署名の再認可能性ゆえに制度に反復的に入り込んでくる原初の力の一撃(それゆえの民衆の拡大)、象徴体系に回収されえない言葉の残余、自分とは異なる私生児としての子供(『ゲンロン0』を読み直したい)。アガンベンとデリダの確執?も興味深い。「おお、友よ、友はいない」の正確さよりそれがその誤りと共に理解され続けてきた実りを重視するのは、こういう哲学の実践って感じがするし。2022/03/22

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