内容説明
華族令嬢の一之宮 菊華は両親を喪い、強欲な叔父夫婦に育てられた。淑やかに躾けられた美しい人形のような菊華は、年頃を迎え、老人の後妻として売られそうになる。
たまらず家を飛び出しはや五年――。
貿易船にもぐりこんだ菊華はイギリスに停泊する船でしっかり者で目端の利く下働き（男）に成長していた。愛する骨董品に携わる仕事で、将来は自分の骨董店を持つのが夢だ。
そんな折、貿易商会の会頭である東堂政宗が船を訪れる。
彼と因縁のあった菊華は女性だと暴露され、なぜか彼と結婚することに……！?
豪華絢爛なアンティークジュエリーと陰謀うずまく社交界をめぐる、恋と謎の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
両親を喪って、強欲な叔父夫婦に虐げられて育った華族令嬢の一之宮菊華。家出してたくましく生き延びてきた彼女が、貿易商会の会頭東堂政宗と再会する恋と謎の物語。老人の後妻として売られそうになり、貿易船に潜り込んでイギリスに停泊する船で目端の利く下働きの男として身を隠してはや五年。将来は自分の骨董店を持つのが夢で、利害が一致した政宗と契約結婚する菊華。テンポの良い掛け合いが楽しい関係に政宗の心境も徐々に変化する中、巻き込まれた事件では菊華のひらめきが光る展開で、そんな2人の関係をもう少し読んでみたいと思いました。2024/05/15
ぐっち
17
政宗と菊華の契約夫婦が、イギリスの地で骨董店を開き、いわくつきのアンティークにまつわる事件を解決する…。イギリスの上流階級になじもうと努力する菊華と、愛情表現が苦手そうな政宗のコンビがたまらん。話的にはまあまあ解決しましたが。できたら続編を読みたいです！2024/05/19
冬野
6
作者さん三作目。現実世界ものは初めて。浅名ゆうなさんが書かれるシンデレラストーリーが普通なわけないと思ったらその通りだった、あまりに面白い。序盤こそヒロインの菊華が虐げられるシーンがあるけど、覚醒後の第一声がぶっ飛んでるし、胆力と行動力がありすぎて笑ってしまう。契約結婚相手の政宗との関係がなぜかライバルに近いのも、当て馬かと思った相手と政宗の美貌について語り合うのも可笑しい。有能だが心情的に不器用という意味では似た者夫婦かも。アンティークの描写も美しく、最後には嬉しいサプライズ。満足感たっぷり。星:5/52024/08/24
つじ みやび
6
とある華族のご令嬢が家を飛び出すとき、なんていったと思います……？ 「よっしゃーーー！！！！」 ですって、奥さん。 そんなつよつよヒロインが異国の地でまどろっこしいマナーやらエチケットに悪戦苦闘しながら、社交界で戦う姿が好きな人には是非読んでほしい！ もちろん（一応）王子様ポジションの東堂政宗さんも大活躍ですが、一応です。一応。 短編が4つ入っているのですが、どれも骨董のお話盛りだくさんで知的好奇心も刺激される楽しい作品でした。４話めっちゃ好き！！！強い！！！2024/05/20
decomo
3
これはまだまだ続きそうですね くっつきそうでくっつかない 焦ったい奴ですね 骨董の話は好きなんだけど2024/11/11
