内容説明
「我慢しなくていいんですよ」
天才的揉み師のお梅が、
あなたの身体と心の闇まで
ほぐします。
申し込めば半年待ち。
評判のお梅の揉み治療だが、
一刻の猶予もない患者が現れた!
揉んだ人々の身体は、
全てこの指が覚えている。
身体に触れさえすれば、
いつどこで揉んだあの人だと
言い当てられる。
人に揉み治療を施すのが、お梅の生業。
■あらすじ■
頭風に苦しむお清を訪ねたお梅は
ギリギリのところまできていると
感じ取る。
揉みはじめると、
お清の身体に潜む「淀み」を感じ――。
彼女を悩ませるその原因とは?
■主な登場人物■
・お梅 五歳の時に光を失い、
人に揉みを施すことを
生業としている十七歳。
・お筆 豆大福が評判の
紅葉屋を出している。
依頼を受け、お梅に取り次ぐ。
・お昌 祖母のお筆と暮らし、
お梅の仕事の段取りを担う。
・十丸 お梅の用心棒。
人には白い大きな犬にみえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
52
男なんて奴は自分の出世の為なら神仏に「初めて産まれる子を差し出す」なんてアホな寝言をほざく!産むしんどさを知らぬ輩が!。お梅は👀が見えない。でも彼女には世間一般に見えないが視えるものもある。揉み治療を施し生業とする傍らに少年(十丸と名付けられた白犬)と先生と呼ばれる天竺鼠が寄り添ってくれている。盲目は辛いけれどいざという時いつも傍に寄り添ってくれるものがあればいいですねぇ。今は器具を使われるのでイマイチですが、うちに来てくれるマッサージ師さんは全部手揉み。娘より少し年上で体力もあり悲鳴をあげる事も😅。2024/07/03
猫ぴょん
24
ぜひ✨もんでいただきたいです😆 1年待ちは長すぎだけど〜😆 ファンタジー色が強め。2025/03/29
のびすけ
21
意外にも、ファンタジー&ミステリーでした。幼い頃に光を失ったお梅は評判の揉み師。側にはお梅とだけ会話ができる白い犬と天竺鼠が付き添う。あさのあつこ作品でお馴染みの仙五朗親分も登場して、お梅ちゃんが関わる事件の謎を追う。「おいち不思議がたり」と似たような雰囲気で、面白かった。2024/12/24
onasu
15
あさのさんの中でも大好きなこちらを続編が出たのを機に再読。 一推しは「おもみいたします」のタイトル通り、評判の揉み師・お梅の揉み療治だが、それと平行して相生町の親分こと仙五朗との謎解きのやり取りも綴られていく。 幼い折に視力を失ったお梅だったが、現では白い大きな犬の形の十丸(トオマル)、天竺鼠の形の先生というこの世ならぬものたちを脇に、彼らとのやり取りも興を添え、今津屋のお内儀・お清の療治でも力添えしてくれるが、療治も捕物も思わぬ成り行きに。 最後は含みを持たせる終わり方だったが、続編では如何に。2024/08/18
myunclek
9
ファンタジーが香る時代小説。目が見えないからこその能力。人の気配や感情が心に届く梅。幸せばかりで無かった自らの生い立ちが、梅の優しさを作ったのかも。事件解決にも能力を発揮したのは圧巻でしたね。いつの日か、実の親に再会する事は叶うのでしょうか?2025/05/15