伴走者は落ち着けない? ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

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伴走者は落ち着けない? ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

  • 著者名:インベカヲリ★【著者】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • ライフサイエンス出版(2024/05発売)
  • ゆれるコスモス!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~9/16)
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  • ISBN:9784897754796

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内容説明

アダルトチルドレンを提唱した、依存症治療の第一人者で50年以上の長きにわたって家族病理の問題に向き合い続けた孤高の精神科医・斎藤学。
1年半にわたる患者・施設取材を通してその不可解な人物像と魔術的な治療の核心に迫る渾身の医療ルポルタージュ!
「私がやっている仕事は、フロイトがやった仕事以降のことを引き受けている。その人がどうやって今後の生活をしていくかまでを考えることが、私の仕事と思っているわけです。言ってみれば一生。その人が嫌になるまで、お付き合いするのが私です。お付き合いであって、治療はしていません。治しているのは患者さんが自分で治しているんです」(本文より)
「賛否も毀誉褒貶も呑み込んで、「斎藤学の時代」は確かにあった。
本書はその爪痕をリアルに刻んだ、希有なる「時代の記録」である。」(精神科医・斎藤環)
スーツ姿で煙草を吸い、机の引き出しに常備させた甘い菓子類をポリポリと食べながら、性倒錯患者に「変態だったらすぐ来て」と興味を示し、万引きをした患者には「初めて主体的な行動を見せたね」と褒める。
そんなおよそ医者とは思えないエキセントリックな態度に衝撃を受けながら、斎藤のもとには痴漢、摂食障害、性倒錯、窃盗症、買い物依存症、引きこもりなど多様なアディクション患者が集まる。そして、斎藤の言葉を使った治療により、彼らは眠っていた能力を発揮していく。その中には、心理職として独立、指揮者や画家として活動、フルマラソンを完走するなど、傍から見ても治っているのではないかと思うほどエネルギッシュな人が多い。
彼ら、彼女らはなぜ斎藤学を必要とし、求め続けるのか。斎藤の謎めいた発言や行動、イリュージョンのような治療を患者・施設取材を通して浮かび上がらせる渾身の医療ルポルタージュ!

目次

序章?さいとうクリニックへ行きなさい
第1章?驚異の精神科医
第2章?指先のファンタジー
第3章?36時間ぶっ通しゲーム配信
第4章?数学、音楽、性倒錯
第5章?斎藤学とは何者か?
第6章?描けない画家
第7章?穿けないスカート
第8章?父親を生き返らせて殺したい
第9章?未来の自分を連れてきた患者
第10章?幸せ家族のスケープゴート
第11章?死の淵からのフルマラソン
最終章?ストレンジャー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

to boy

16
精神科医斎藤さんと患者の治癒例を11章にわたってルポタージュした内容。普通の精神科医とはだいぶ違う治療の仕方ではまる人もいれば嫌う人もいるようです。患者が話す相談話は本当の話ではなく必ず裏があるという斉藤さん。主に家族関係(特に両親の影響)が大きくかかわっている事例でした。患者の困りごと(痴漢、窃盗、拒食など)を否定することなく話を聞くことに徹する姿勢は好感を持てた。2024/07/30

hf

3
私が斎藤学の名を知ったのは2018年のことであった。なかしまあさみ(岡映里)のツイッターで言及されていたから。この本に関して言うと、山田たけし(仮名)のエピソードが面白かった。あと、238. 「自分のアパートにいられなかったんです。クリニック以外の時間は、街をほっつき歩いていた。本来なら自宅のベッドで寝ていたほうがいいんですよ。睡眠もあまり取っていなかったし、ご飯も食べていないし、体力もないから。でも、家にいられなくて、ずっと外を歩いちゃったりするんです」、2024/08/24

sakichi

3
話を聞いてもらうだけで、気持ちが落ち着く事ってあるもんね。話しながら整理出来たり。話を聞いてもらう方法を知らない人たちが通うのだろう。2024/08/19

kumoi

3
患者たちが持ってくる話は症状にすぎなくて、本当の問題は別にある。無意識 ー言葉でうまく言い表せないものー 、ふと話し始めてしまうこと、涙がながれてしまうこと、動かしがたい何か。ままならないのは他人だけじゃなくて、わたしの心もそうで、今日も今日とて迷っています。その抑圧されているものを克服する。自らの手で自分を変えていく。どんな変革も痛みを伴うものだけれど、消えてしまいそうなわたしを救うために歩き出す。人生における究極の革命を!やってみれば大したことないさ。2024/06/01

るう

2
斎藤学さんとという方を知らずに手に取った。摂食障害、ジェンダーの悩み、引きこもり……自分だったら付き合いきれないな、うんざりしちゃうな、という患者さんたちと向き合い続ける斎藤先生。「相談しようと思って持ってくる話は、本当に大事なことではない。そうじゃなくて、その裏にある」というのは精神科以外でも通ずる話だと思った。2024/08/16

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