内容説明
第二次大戦後に分断され、再びひとつの国に統一された日本。だが東西の格差は埋まらず、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍し……。意図せずテロ組織と関わることになった一条昇と、その幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見公佑の二人。社会派エンターテインメント巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
134
敗戦で日本が東西に分断されていたら?という設定の物語は、普通の青年・一条、一条の親友の自衛官・辺見、二人の視点で描かれるサスペンス。現実の日本でも同様である経済格差や人間の本質である闘争本能に言及して、社会派ではあるが「if」の面白さも加味して楽しませてくれた。一条の仲間・聖子、辺見の相棒・香坂、二人の女性のキャラが立っているのに対して、肝心の主役二人が魅力に乏しく感じたのが残念…二人の友情を描くシーンが少ないからだろう。著者らしく飽きさせずに読ませてはくれたが、風呂敷を広げた割には....?という印象。2024/07/23
ウッディ
133
戦後、米ソに引き裂かれ東西二つの国に分断された架空の日本。その後、統一されるも、東西の経済格差は埋まらず、将来に夢が持てない一条は、東日本を独立させようとする「MASAKADO」の一員となり、暴力を伴わない独立を目指す。組織のスパイの洗い出し、内ゲバ殺人、公権力からの逃走劇など、SF的な設定ながら、内容は普通の独立運動のゴタゴタだったような気がする。今の日本にも、貧困の連鎖や格差の拡大などはあるが、この小説のようなひどい社会じゃないのだから、自分たちでできることを一つ一つやるべきだと思った。2024/09/12
となりのトウシロウ
130
第二次対戦後、日本は米国に統治された西日本とソ連に統治された東日本の二つに分断される。ベルリンの壁崩壊後に東西日本も統一を果たすが、30年経た今も東西の経済格差は埋まらず、東日本独立を目指すテロ組織が暗躍する。一条昇は意図せずそのテロ組織に関わるようになり・・・。息もつかせぬ展開にページを捲る手が止まらず読了。人間の行動を突き動かすのは怒りであり理性である。現代資本主義社会が生んだ闇や人間の醜悪が突きつけられる。真の人間の幸せとは何か。お前ならどうすると問われ、考えさせられる作品。2024/09/01
のぶ
130
貫井さんの新作は歴史改変ものの物語でした。第二次世界大戦後、東日本と西日本に分断されソ連とアメリカに統治された世界。その後、ソ連邦の崩壊、東西冷戦の終結に伴い再び統合された日本は、格差が固定化し、貧困が蔓延る旧共産主義国である東日本の独立を標榜するテロ組織が暗躍していた。意図せずしてテロ組織に関わることになった一条と彼の幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見。改変された世界には特に違和感はなかったのですが、全体的にちょっと風呂敷を広げ過ぎかな?長大な作品をうまくまとめ切れていない気がしました。2024/05/17
tonnura007
129
戦後分断された日本はドイツに倣い東西統一する。しかし経済力に劣る旧東日本人は二等国民として旧西日本人に対して劣等感を抱き続ける。東日本人の一条はある事件をきっかけに東日本独立を目指す組織MASAKADOに所属することになるのだが、、、。 舞台設定は素晴らしく、冒頭から暗澹とした気持ちになる。日本大分断はないにしても、北海道の東西分断は現実にありえたので背筋が寒い。ただ壮大なテーマであるだけに最後はまとめ切れていない印象が強い。冗長な部分と拙速な部分があるので、全体にもう少し滑らかな展開にしてほしいと思う。2025/01/19




