内容説明
認知症専門病棟の医師・三杉のもとに、元同僚の小説家・坂崎が現れ、三杉の過去をモデルに「認知症小説」の問題作を書こうと迫ってくる。医師と看護師、家族の壮絶で笑うに笑えない本音を現役の医師が描いた医療サスペンスの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
58
久坂部羊氏の作品、初。さすがに現役医師の現場描写、患者との遣り取りは、切迫感あり、リアリティが迫ってくる。がしかし、坂崎という医師もどきの迫り方は、ちょっと閉口。安っぽい。2025/01/28
まこみん
54
認知症専門病棟の医師、看護師側視点の日常。元外科医だった三杉は真面目でいい医師だと思う。元同僚の売れない小説家、坂崎に振り回され、過去の痛恨の念に苛まれる。又自分の非を絶対に認めない医師もいる。認知症の患者を無理に生かそうとするのも無理に死なそうとするのもよくない。その人にとって必要なことを過不足なくするのがほどよい医療。医師の久坂部さんならではの著書。2024/11/12
鍵ちゃん
51
認知症専門病棟の医師・三杉のもとに、元同僚で鳴かず飛ばずの小説家・坂崎が現れ、三杉の過去をモデルに「認知症小説亅の問題作を書こうと迫ってくる。医師と看護師、家族の壮絶で笑うに笑えない本音を描く。小説を書くのに人を騙し、苦境に陥れ様子をうかがう事をするのかと疑ってしました。それによって三杉の苦悩は大変だっただろう。だけど認知症に立ち向かい、患者に寄り添う三杉に応援したい気持ちになり、そこで働く看護師達に頭が下がる思いになります。やはりこの作家さんは、リアリティがあり面白い。2025/06/15
GAKU
32
認知症患者専門病棟の医長三杉を主人公とした物語。久坂部さんの描写は非常にリアリティがあり、認知症だけでも大変なのに、さらに癌や糖尿病の患者達の治療や看護は本当に大変だなと実感しました。著者の作品を読むといつも思うのですが、私自身は無駄な延命治療などせず、早く死んでいきたいです。2025/03/04
なっち
31
久々に一気読みした本。久坂部さんの本は読みやすいなぁ。認知症の人の治療…すごく大変そうですね。説明をわかっているのかわかっていないのか、家族の想いや事情なんかも。坂崎の曲者ぶりがすごかった。本当に主人公は人が良すぎる。2024/08/22