講談社文庫<br> 凍原

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講談社文庫
凍原

  • 著者名:桜木紫乃【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 特価 ¥577(本体¥525)
  • 講談社(2024/05発売)
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  • ISBN:9784065337837

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内容説明

下を向いても上を向いてもこの町は銀鼠色だ――
17年前、弟を行方不明で失った松崎比呂は、刑事となって釧路に帰ってきた。その直後、釧路湿原で青い目の他殺体が発見される。先輩刑事の片桐周平と捜査を進めると、そこには激動の時代を生き抜いた女の一生が深く関わっていた。

直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第1弾!
解説は新直木賞作家の河﨑秋子さん(『ともぐい』)!

24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』に続き、6月には『氷の轍』、7月『起終点駅(ターミナル』、8月『霧(ウラル)』と続きます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akiᵕ̈

33
北海道を舞台に、小学生の弟が行方不明になったまま17年が経ち警官として働いている比呂のパートと、戦後樺太の地でソ連兵から逃げる1人の女性キクのパートが交錯しながら物語は進む。青い瞳を持つ青年の死体が見つかり捜査していく中で、樺太引揚者というワードが出てきて、果たしてキクは何者であるのか真相に行き着くまで目が離せない。戦後の激動の中を生き抜くという事、そしてその生き様は、女性であるが故の過酷さと様々な覚悟が必要であるという事をまざまざと見せつけられる。それぞれの過去と向き合いながらの決着のつけ方に安堵する。2024/05/22

ちえ

32
17年前湿原の谷地眼で行方不明になった小学生。死体で見つかった誰ともわからない青い目の男性。ミステリーでもあるけれど、この本から私が受け取ったのは、終戦の時の樺太、引き上げ、日本に着いてからギリギリでも生きのびること。したたかに自分の場所を作っていく姿には力強さを感じるけれど、それ以上に普通の人々の生活がどれほどあっけなく崩れていくかが恐ろしい。同じ道内にいながら立ち寄ったことしかない霧と湿原の釧路の風景を思い浮かべながら読む。70−80年前でしかない北海道と現代を繋げて。ずしりとした読後感だった。2024/06/10

紗世

28
釧路署で起きた殺人事件と、被害者が追っていた自分のルーツのミステリー。面白かった。けどヘビーだった。その事件とあの登場人物がどう繋がるとか、先が読めそうで読めない。元々ミステリー小説は頻繁に読まず、推理癖はないので、純粋にどうなるのかドキドキしながら、また昔の人権とか言ってられない情景はしんどかったけど、全体的に読み応えがありました。2024/07/21

ふう

23
みやこめっせで展示中の、昭和館巡回特別企画展、くらしにみる昭和の時代京都展を見てきたところなので、戦後ものすごい人数が引き揚げ者として帰国したことを重ねてみると、貧困の中で生き抜いたキクさんたちの話が現実の辛苦として立ち上がって見えてくる。道東の冷え冷えとした空気が弟を飲み込んだ谷地眼の恐ろしさを増幅させて、桜木ワールド全開。加筆修正前の方がわかりやすかったのかな、動機やその他いろいろ疑問が解消されないまま、でも面白かった。2024/12/18

shizuka

22
読了後、はじめて相関図を書いちゃった。犯人の動機がいまいちわからなくて読み直して、そこはOK。しかし引き金となった人物の回顧シーンが謎。なんで知ってる?あれは回顧シーンではないのか。知る由もないもんな。うむむ。キクがその人に語るとは思えないし。結局、洋介は真実に辿り着けずだったんだね。人を殺してまで守りたいものってなんだろう?本当にその価値ある?最後は息子に絆されて変わったけど、波子さんの死生観好きよ。2024/12/31

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