内容説明
亡くなった夫に頭を撫でて欲しいと願った妻。亡き母の髪を泣きながら洗った美容師になりたての娘。お気に入りの洋服を着て何度も抱っこされた、小さな体の重さ……。故人を棺へと移す納棺式にひとつとして同じものはない。悲しく辛い時間。しかし、生と死のはざまのごく限られた時間に、家族は絆を結び直していく。4000人以上のお別れをお手伝いしてきたベテラン納棺師が出会った、家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
30
納棺師と聞けば、映画「おくりびと」が真っ先に浮かぶ程に、当時(16年前)はとてもインパクトがあったけど、38歳で納棺師となった著者が、故人とその遺族と向き合っていく中で感じたことや、コラムとして豆知識が語られている。400人以上のお別れのお手伝いをされてきたとの事だけど、それは家族ごとに様々で本当にたくさんのドラマがあり、自分の父が亡くなった時の事やそれからの父との向き合い方、今も健在な母の事と色んな想いが去来した。納棺師の方が故人に施すお仕事の時間は遺族にとってかけがえのないひと時をもたらしてくれる。2024/07/01
ごま麦茶
4
納棺師である筆者さんがお手伝いした、幾つもの納棺式のお話。死はすぐ近くにあるけれど、極力考えないように、見ないようにしてしまうけれど、この本を読んで、改めて考えさせられました。納棺師というお仕事のことも知れてよかったです。その時は、バタバタしていて実感がなくて、何がなにやらのまま進んでしまった家族との別れ。改めて、紙の上の納棺式をやってみたいと思わせてくれる巻末のでした。2024/12/10
きあ
4
納棺師と言う職業は映画『おくりびと』で知っていましたが、私自身納棺式は20年近く前の祖母の経験が最後で覚えていない事の方が多く、唯一清拭をした時に祖母の皮膚が冷たかった事だけ覚えてました。今も遺影があるので顔などはわかるのですがやっぱり声はもう分からなくなってしまいました。 この話を読んで父母の声を動画出残しておこうかなぁと思いましたね。お母さんが絵本を読んでいる録音を納棺式の時に流していた話を読んで。2024/06/29
だい
1
納棺師の著者が見た景色がありありと記されている。それぞれの別れがあり、まさに"どんな反応も当たり前" 「お化け屋敷での正しい声のかけ方は、まずは急に近づかない。声を出さず出口の灯りのようにそこで待つ。そして向こうから近づいてきたところで静かに話す。」2025/01/21
りか
1
納棺師の大森さんがお別れをお手伝いした故人やその家族の話📕 帯の文章を電車の中で読んで泣きそうになり、家で読もうと決めた。周りにいる人を大切にしようと思います。そして、最期のお別れの時は"ありがとう"としっかりと伝えたい。2024/08/10
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