内容説明
35歳でオックスフォード大学正教授に就任した、いま最注目の政治学者が、分断と格 差の起源と解決という難題に鮮やかに答える!
―対立軸を組み変え、民主主義・福祉・繁栄した社会を持続可能にする、ほとんど唯 一の狭い道。
政治はなぜ常に私たちを失望させるのか? 古代ギリシャから気候変動条約、ブレグ ジットまで、私たちが集まると近視眼的選択の「罠」に落ちてしまう。それを回避す べく、直感に反する最近の研究成果、例えば政治・社会的平等の増加が大きな不平等 をもたらし、不平等の高まりが民主主義を促す逆説などを活用して、現実政治の罠か ら脱出する方法を生き生きと説明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしたけ
49
政治に関係する、民主主義、平等、連帯、安全、繁栄が抱える「罠」を中心に議論を展開。「罠」とされるのは、いずれも集団と個人間で、あるいは将来と現在の間で生じるトレードオフで、個人的・短期的に望ましく見える選択をしてしまうこと。回避するために重要視なのが政治制度と規範。著者は流行りのベーシックインカム論の可能性を論じつつ、重要なのは中間層と福祉国家をいかに結びつけるかと論じ、福祉国家がどのように私たちの生活に貢献しているかを可視化し、人々が同じコミュニティにいることを改めて明らかにすることが求められると指摘。2025/02/15
サワークリーム
8
リベラル偏重。グローバリズムに疑問を抱く身として「?」と感じるばかり。きっと太陽活動の活発化さえ、化石燃料から人類が出したCO2が原因なのだろう。昨今のアメリカではGAFAMに代表される富裕層が民主党を支持する一方、トランプ支持層はpoor whiteと言われる。サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」を読み返したくなった。2024/10/21
ほなみ
3
政治はなぜ失敗するのか。惹かれちゃうよねこのタイトル 平等とか福祉とか政治を形作るさまざまな観点から政治が失敗する理由が研究されている。 結局一人一人がマクロな視点で捉えられないからなんだろうなと思った。 自分視点じゃなく世界視点で判断しないと。。。というのは簡単だけどそんなの想像できないよね。 こういう本を読むたびに、結局扇動政治からは逃れられないのかなと絶望してしまう。 2025/07/01
清水勇
1
副題に「5つの罠からの脱出」。何故政治が国民から忌避されるが逆に重要かを、5つの罠: 民主主義、平等、連帯、セキュリティ、繁栄の罠について過去の歴史から丁寧に説明。私達は目の前の利益や思惑だけで簡単に矛盾した行動を取ることを見せつけられて、罠に嵌ることを理解。しかし著者自身が大きな罠に嵌っていることに気付く。論理よりイメージで決めてしまう人間の悲しい性。著者はリベラルの立場で国連や米国オバマの施策を絶賛しアンチトランプだが、メッセージの内容ではなくメッセンジャーのイメージで判断してしまうという罠に嵌る。 2024/09/30
金吾庄左ェ門
1
もっともらしい綺麗事を山のように並べていますが、その結論は選挙は比例代表制にしようです。比例代表制の国は小選挙区制の国と比べて格差が小さく上手く行っているそうですが、そこには著者の米英や市場原理主義への嫌悪感を強く感じます。著者にとって政治とはリベラル左翼的でなければならず、その役割を常に拡大しなければいけないのでしょう。私は政治は失敗するからこそ、その役割を縮小すべきだと考えます。2024/09/15
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