職業としての政治 職業としての学問

著者名：マックス・ウェーバー【著】/中山元【訳】

日経BP（2024/04発売）

• ISBN：9784822247225

内容説明

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日経BPクラシックス 第4弾
マックス・ウェーバー(1864-1920)は20世紀を代表するドイツの社会学者。
著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、世俗内禁欲を生活倫理とするプロテスタンティズムが近代資本主義発展の原動力となったと分析。
戦後日本を代表する丸山真男、大塚久雄らの学者に大きな影響を与えた。

本書は、ウェーバーの残した重要な講演ふたつを収録した。第一次世界大戦で敗北したドイツ。
全土が騒然たる革命の雰囲気に覆われていた1919年1月、ミュンヘンで『職業としての政治』の講演が行われた。
政治とは何か、政治家という存在が担うべき役割とは何かを、血気にはやる学生を前に諄々と説いたウェーバー。

「現実のうちで貢献しようとしているものと比較して、世界がどれほどに愚かで卑俗にみえたとしてもくじけることのない人、
どんな事態に陥っても、『それでもわたしはやる』と断言できる人、そのような人だけが政治への『召命』[天職]をそなえているのです」世界的な激動期にあたり、
政治の役割が従来以上に増してきた今、本書は万人必読の書といえる。

『職業としての学問』も名高い講演として知られる。ウェーバーはこう説いた。
「わたしたちはみずからの仕事に赴き、人間としても、職業においても、『日々求められること』にしたがう必要があるのです」

訳者は光文社古典新訳シリーズのカント『永久平和のために』、ルソー『人間不平等起源論』などの中山元氏。

目次

職業としての政治
職業としての学問

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヴェルナーの日記]

本書の題名である内容は、講演のために書き上げたもの、そのため舌足らずな印象を受けるのは仕方が無いのであろう。『職業としても政治』と『職業としての学問』共に必要としたのが、『倫理』であるとしたところがウェーバーらしい。彼の思想的志向タイプは、人間の内面から人間社会的行為を理解しようとする典型的な構造主義に位置する。これは「理解社会学」とも言い、類型的なモデルを設定し、現実との差異を比較する「理念型」志向タイプもいえる。本書で興味深いことは、純然たる学問としての政治学に対し否定的な意見を述べているところだ。

2015/07/02

[Francis]

15年間も積読。しかし積読していた甲斐はあったかな、と言い訳してみる(^^;1919年の講演でありながら、今でも通用する内容である事に驚き。さすがはウェーバー。「職業としての政治」は政党システムを論ずる上で読んでおくべきだし、政治家に求められる「責任倫理」はポピュリズムが蔓延する現代政治でこそ求められるべき。

2024/12/22

[ころこ]

「政治」と「学問」に共通しているのは、講演の書き起こしだということです。本書のメインは「政治」の方です。口語調で読み易いかと思いきや、全くそんなことはありませんでした。章立てが無く小見出しの連続でいて、後に推敲を重ねているのか、分類分けなどやたらと細かいので、全体で何を言っているのかがよく分からなかったというのが率直なところです。役人の官僚制と政治家の役割と資質が無責任－責任、倫理的－非倫理的などパラレルだといい、統治機構が確立された党の組織や議員も官僚的、機械的（マシーン）になりがちで、それは本来の政治

2017/06/25

[えりまき]

2020(165)上司からのおすすめ本。私の読解力では難しい。「政治家にとって何よりも重要な資質は三つありますー情熱と責任感と判断力です。」政治家に限らずどんな職業にも言えること。「人間にとっては自分の情熱をかけることのできない仕事は、意味のないものだからです。」厳しい。

2020/07/11

[nekozuki]

職業(賃金の受領を目的とした労働者)として政治家、教師がどのような特徴を持ちうるのか分析したウェーバーの講演録。職業政治家は資産背景等があるその他の分類と違い、政党という集客システムにより、票と政治資金を集めて成立している。故に、大衆迎合的になりがちであり、それまでの民衆を教化していた政治家と立場が異なる。教師においても、私教師という不安定な立場からキャリアを始める必要がある。 いずれも公共的な職業であり、より理念を重視した行動を促すには、立場を保障してやらなければ先導する役割は難しい。

2020/01/03