内容説明
TikTok、ソーシャルゲーム、ミュージックビデオ、アニメ……
現代のカルチャーを横断する 〈セカイ系〉論の新境地!
「社会」を描かないものとして長らく揶揄の対象となってきた〈セカイ系〉。しかし、 その誕生が2000年代初頭であったことを思い返すと、インターネットの普及によって「世界」の意味するところにドラスティックな変化が起きたことを鋭敏に捉えた想像力でもあったのではないか。〈セカイ系〉をキーワードにアニメ・音楽・アート・哲学などを横断して論じる評論アンソロジー『ferne』が話題を呼んだ気鋭の論客・北出栞の初著作。
まるで「世界の終わり」だと思わずつぶやきたくなる時代を前にして、まずは沈黙のうちに自分の感情と向き合えないか。〈セカイ系〉という言葉は、私たちにそんな問いを呼び起こさせるように感じる(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なつのおすすめあにめ
7
浜崎あゆみの歌詞がセカイ系っぽいみたいな話は面白いけど、なんでもかんでもセカイ系にぶち込んでいる気がした。個人的にはもっと『グリッドマンユニバース』などのアニメ批評などのセカイ系論が読みたかった。2024/04/26
よいおいこらしょ
6
セカイ系と感傷マゾを混ぜ合わせた評論で面白かった。セカイ系を「切断された寂しさ」、「半透明になった自分たち」とみなして、その系譜を音楽、映画などから辿って行く。音楽雑誌の編集部である著者はその知識は広く、y2kやトラックメイカーなどインディーズからも拾い上げていた。浜崎あゆみもセカイ系に入るなら、オタク文化から生まれた寵児ではなく、時代柄必然と生まれたカルチャーと考えられる。そこをインターネットで簡単に世界と接続できるようになってしまったからだと著者は考えていたところが斬新だった。2024/05/26
エビ
2
普段触れているボカロやアニメが評論されているのは新鮮なため、今回読んでみた。シン・エヴァの制作過程で決断ではなく中断が行われていたというのは面白いお話だと思った。アニメに関わらず情報のインプットが無限に可能な中、選ぶことよりやめる事に注目するのは新視点。個性を消失したいというボカロpの発言も、全ての人に該当する訳ではないと留保しつつ、現代の感覚が表されて印象的。tiktokをシミュラークルや脱中心性と分析し、人文科学からみた時の特徴の指摘は面白いけど完璧には理解してないから今後参考図書読む予定。2025/11/24
じーーーな
2
趣旨は分かるのだけれどこう、しばしば論理が飛んていて「どうしてそう言えるんだろう?」と混乱してしまうところはあった。扱っている作品に詳しければ補完できる部分なのかなあ。2024/09/04
レフラー
1
僕の過去の仕事とも接続する文芸評論と思いきや、今における評論のままならなさを情報技術による「作家」の変容と「受け手」との接近を基に描く、メタ評論でもあった。 音楽軸がよく、そうでないと評論を担保する量を確保できないのよな。 「文芸」はあえて使っている。2024/12/24




