内容説明
「君は金にがめつすぎる。婚約を破棄させてくれ」
ずっと王妃教育を受けてきたベアトリーチェは王太子に婚約破棄を告げられた。毎晩開かれる無駄なパーティー。浮気相手に送る豪華なドレスの数々。ベアトリーチェは最後に臣下として浪費を抑えるように進言するも、逆に『金の亡者』と虐げられ、王宮から追放されてしまう。
しかも、王太子は自分の借用書を実家に擦り付けて来た。
「お前のせいで領地が潰れるではないか! どうしてくれるんだ!」
領地を立て直そうと一生懸命だったのに、ベアトリーチェは父に『ブタ公爵』と名高い辺境のアベル・オルロー公爵に売られ、借金のカタにされてしまった。
しかし、オルロ―公爵領は荒れ地で有名。
城もボロボロ、収穫は見込めず、辺境に相応しい有様だった。
「この領地には無駄が多すぎます!」
ベアトリーチェは公爵領の改革を決意する。成金令嬢と呼ばれたトラウマから最初は尻込みしていたが、なりふり構っていられない。
改革が進むにつれて税収も上がり、順調に借金を返済していく。
そしてオルロ―公爵も『ブタ公爵』からだんだんと変わってきて……。
「俺の容姿を気にせず旦那と呼んでくれた君を、心から愛している」
「私は異性からの愛よりお金のほうが好きです」
これは、ちょっとズレた令嬢と距離感のおかしい公爵のじれったい恋愛譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
婚約者の王太子に疎まれ、婚約破棄を告げられたベアトリーチェ。しかも王太子に借用書を実家に送られ、父に『ブタ公爵』と名高い辺境のオルロー公爵に売られてしまう物語。浪費を抑えるように進言して王宮から追放され公爵家に嫁ぐことになったベティが、荒地で有名な辺境の公爵家領の現状を知り改革を決意する展開で、有能な彼女を認めて背中を押してくれるアベルに支えられて、領内の状況や周囲との関係を変えていくのに辣腕を振るう一方、有能であるがゆえに難しい状況にも追い込まれましたけど、最後で明らかになる事実には救われる思いでした。2024/05/05
わたー
21
★★★★★面白かった。まさかこんなに感動して泣かされるとは思わなかった。婚約破棄されたうえ借金まで背負わされた主人公。父親からも見放され、借金のカタ同然に婚約させられた先は、好色のブタ公爵と悪名高い人物のもとだったことから始まる物語。実の父親から棄てられる描写が序盤からかなりキツかったのと、婚約支度金に関する違和感があったのだが、序盤を読んだだけではマイナスだと捉えていた事象をああも見事に回収してみせてくれたのは見事と言う他ない。めっちゃっこよかった。安心して最後まで読んでほしい。2024/05/02
サキイカスルメ
14
やばいやばいやばいやばい。涙で顔がベショベショですが!?違和感としんどさがあった最初の追放劇から、幸せになって見返すと思いきや、それよりもっと大きい愛のお話へ変貌していくの良すぎるでしょう…。面白かったです。これだから山夜みいさん作品は好きなんだよなぁ。しっかりもののヒロインと、温厚で優しいでも頼りになる公爵ヒーロー主役の2人が絆を深めていくお話として、まず素敵でした。お友達のパティがお気に入り。それがあった上で、自分が愚かで愚鈍と自覚しながら、それでも愛する存在のためにやり遂げた人の生き様が最高でした。2024/05/04
久利大也
3
金にがめついと婚約破棄された才女が、“豚公爵”と謗られる辺境の公爵と幸せになる話。 婚約破棄/追放もののど真ん中を行く展開から、まさかの大仕掛けな計略の歯車が明らかになっていく。 貴族らしい政治が苦手で、色眼鏡で見られてきた2人が思い合ってくのは本当に良かったです。 僕はね、人の意地が見える話が好きなんだ!2024/05/20
あきら
2
電子書籍。うまくまとまってるってのが、第一印象。ベアトリーチェも一生懸命だし、好感度高い。でも、展開は意外性もないし、ただひとつ王妃様がヤバいというだけで最後は何故だか丸く収まってハッピーエンドという…旦那のアルが若干キャラ弱かったからかも?お父様のくだりはよかった。が、結局はキャラは皆非凡ではあるんだけど、物語としては平凡というよくわからない感じで読了。元婚約者の王太子はかわいそすぎる。全てにおいて救いがなかったね。2024/09/18
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