内容説明
VTuberは中の人にも虚構のキャラクターにも還元されないという「非還元説」に立ち、VTuber独自の存在様態を理論化しつつ、その魅力を多数の事例から分析する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らる
5
リアルな性質とフィクショナルな性質を共に持ち、様々な文化潮流が交差する中で生まれた存在者ーそれがVtuberである/Vtuberは単なる配信者ではなく、例えば、配信中に現実の配信者の手が出てきたとしても、それはVtuberの一部としてシームレスに見ることができる。配信者の身体も含め「Vtuberの一部」だからである/架空の二次元キャラクターのようにとらえられがちだが、「三次元」的な性質も併せ持つ/自らの身体に絵画的な芸術形式の特性を持つ。2024/06/16
よいおいこらしょ
5
Vtuberを分析哲学的に説明、帰納的に解釈しようとした評論。著者は配信者の実在を前提として論を進めていて、記号的な存在としてVtuberを考えてる人にはおすすめできない。もっとバーチャル蠱毒だったり出雲霞の物語だったりバ美肉について論じて欲しかった。アイドルやニコ生にも適用できそうなものも多く、その比較があればもっと面白かったかも。2024/05/16
nonfiction
4
感覚的にすぐわかることを生硬なロジックで縁取っていくことが哲学なのか、むしろその「わかる感覚」のほうを言語化する努力のほうが真に哲学的な営為なのではないか…というのは本書への感想というより分析哲学じたいへの疑問か。外野からは誤認されがちな「Vtuberはただの生主でもキャラでもない」という点の解説は周到だが、演者・視聴者ともに生身/キャラを都合よく混同しつつコミュニティを形成しているVtuber文化のジャンクな魅力はそれだけでは説明できない。ファンもそれ以外も知りたいのはたぶんそっちのほうではないか 2024/03/27
rou
3
Vtuberという存在について多くの側面から考察されており、なかでも第五章の「生きた芸術作品としてのVtuber」でふれられているVtuberと鑑賞者は、お互いのアイデンティティの変容に影響し合っている。という考え方は非常に考えさせられました。完成されたものではなく、「生きた」芸術作品であるという表現はVtuberがどのような芸術作品となっていくかに、我々鑑賞者も関係しており、今まさに広がっているVtuberという文化の中に鑑賞者として自分もいるのだという感覚になりました。2024/04/20
Jey.P.
3
VTuberを「配信者」でも「虚構的存在」でもない「制度的存在者」だと論じ、VTuberの様々なことを分析していく本だが、配信者説ではなく制度的存在者説を採用するメリットが少ない(配信者説の方が容易に様々なことを説明できる)気がし、その後の議論に乗れなかった感。あと後半の事例は普通のゲーム実況やアイドルでもあることに思え、VTuber特有の事例だと感じなかったのもしんどかった。著者と自分でVTuberに関する直感に大きな違いがありそうだが、自分からすると著者はかなり尖った受容のしかたをしてそうなんだよな。2024/04/02
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