内容説明
1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。本書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
131
いい本だと思う。地学という、無味乾燥になりがちなテーマを、ここまで情感を込めて語れる著者に心から尊敬を覚える。日本列島の成立ち・火山・地震・気象などの地球科学の基本を、西行や芭蕉が歩いた道を辿りながら語る著者の豊かな人間性に惹きつけられる。また、何億年・何千万年前の科学現象としての地学が、水・塩・酸素・石油・石炭・鉄・黄金などのテーマごとに、現代の人々の生活と密着するものとして理解できるのも素晴らしい。今、高校生の地学の履修率は約1%だと言う。こんなに身近で楽しい学問であることを、この本は教えてくれる。2024/10/14
アキ
110
とても面白い。日本列島とは、約2500年前大陸から独立した地球科学的に新しく極めて活発な変動帯に区分され、気象学的にはモンスーン域に属する「じゃじゃ馬」のような土地である。水が豊富で豊かな植生という「慈悲深い列島」であると同時に、活火山が111ある「危険な列島」でもある。すごいには「ぞっとするほど恐ろしいさま」という意味もある。現在東京都市圏には3500万人が暮らすが、明治13年の日本の全人口に匹敵する。約7000年間大噴火は起こっていないが火山の大噴火は予測不能。日本列島に住むすべての人におすすめです。2024/06/08
まーくん
107
先に読まれた読み友さんの感想にもありましたが、読み易く大変「面白い」!著者は地質学・鉱床といった専門の他、地学教育にも力を入れておられ、NHK高校講座「地学」を担当されたこともある。受験の関係からか昔から理科系の中で地学はマイナーな科目であったが、最近は地学を全く受講しない高校生もいるらしい。日本のように災害の多い国で生きていくためには地理地形やプレート・テクトニクスの概念を知り地震や火山、気象についてのリテラシーを高めることは是非とも必要。読者の興味を引きそうな話題を”枕”に話を進めていく。⇒2024/05/08
skunk_c
99
これは面白い!日本列島の成り立ちから気候、火山や温泉、さらには塩・石炭・石油・鉄・金などの資源に至るまで、極めてわかりやすく、しかし高度な内容を含んで説明している。しかもリードには『奥の細道』や『方丈記』など古典から、ご自身のエピソードまで、上手く導入していく。さすがNHK高校講座の講師を長く務めた方だ。特に興味深かったのは塩と金の話で、全く知らなかったことが多く勉強になった。一方最後に大噴火がどのくらいの規模の地域に影響を与えるかという話題があり、これは備えても難しいくらいと知った。地理教員の必読書だ。2024/05/06
tamami
73
とても素敵な読書体験をさせてもらった。内容といい、読みやすさ分かりやすさといい、新書という体裁の本としては一級品ではないかと思う。著者の専門に地学教育が挙げられている。本書は、教育学部教授として、またNHK高校講座の講師としての経験を遺憾なく発揮、地学初学者にも興味をもってもらう工夫が随所にこらされて、高校生からは遥か遠くに来た私にもその面白さが伝わってくる。現在の高校の理科教育では「地学」の履修率は1割にも満たないという。自分たちが生まれ、住みなしている大地の特質や歴史、世界にも希な豊かさを持つ日本列島2024/05/28
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