内容説明
一度罪を犯した人々のなかには同じ過ちを繰り返してしまうケースが多い.しかし裁判傍聴から見えてきたのは,「凶悪な犯罪者」からはほど遠い,社会復帰のために支援を必要とする姿だった.にもかかわらず司法と福祉の溝は深い.この課題と社会はどう向き合うのか.家裁調査官として少年犯罪と向き合ってきた著者が考察する.
目次
序章 刑事司法で「対話」は可能か
1 裁判を傍聴する――二〇二一年年頭の決意
2 社会的なバッシングを受ける犯罪加害者
3 家庭裁判所調査官の経験
4 刑事司法と福祉の対話
第一章 罪を犯した人たちのリアル――刑事裁判から見えてくるもの
1 刑事裁判の形――覚醒剤取締法違反事件の被告人B
2 地域に貢献したのちに――窃盗事件の被告人C
3 七八歳による性犯罪――窃盗事件の被告人D
4 外国人犯罪――詐欺事件の被告人E
5 「もう少し何とかできなかったのか」――窃盗事件の被告人F
6 よくある刑事裁判の形
第二章 司法と「罪を犯した人」――刑事司法手続きの全体像
1 刑事司法手続きという「川」
2 被疑者――一年間に六〇〇万人を超える「罪を犯す人」
3 被告人――司法に裁かれる
4 受刑者――難しい出所後の見通し
5 誰もが犯罪と無縁ではない
第三章 社会の中の「犯罪者」
1 大幅な高齢化
2 障害と再犯
3 貧困
4 統計からわかった「福祉ニーズ」
第四章 社会福祉士が刑事裁判を支援する
1 刑事司法と「福祉ニーズ」
2 弁護士と協働し被告人に向き合う社会福祉士
3 「岡山モデル」の実践――偽計業務妨害事件の被告人G
4 「もう忘れた」――傷害・窃盗事件の被告人H
終章 社会の責任として
あとがき
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