岩波ジュニア新書<br> 10代のうちに考えておきたいジェンダーの話

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岩波ジュニア新書
10代のうちに考えておきたいジェンダーの話

  • 著者名:堀内かおる
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009794

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内容説明

「女子は理系が苦手,男子は文系が苦手」「男子は青系が好き,女子はピンク系が好き」って誰が決めたのでしょう? 10代が直面するジェンダーの問題を,過去・今,そして未来に向けて考察します.自分らしさとは何か,バイアスとは何かを自分ゴトとして考えた先に,多様性を認め合う社会をつくるヒントが見えてきます.

目次

はじめに
1 ジェンダーってなんだ?
ジェンダーという言葉
〈性〉の多様性
性のグラデーション
ジェンダー規範
社会問題とのつながり
必要な区別と不要な差別
ジェンダーについて学ぶ意味
周囲の環境を見渡してみると
これからの生き方を指し示す方向は
2 つくられる「女の子」「男の子」
出生に伴うジェンダー
生まれるとともに刷り込まれていく
ジェンダー・バイアスに囲まれている赤ちゃん
男の子色・女の子色
おもちゃとジェンダー
大人たちの責任
性役割をしつけられる?
絵本もジェンダーを映し出す
3 ジェンダー化の装置=学校?
学校は男女平等か
公正と平等
学校で起きていること
何色のランドセルを選ぶ?
名簿は男の子が先?
あなたは,なんて呼ばれたい?
教室の子どもたち
好きな教科
家庭科の歴史とジェンダー
ステレオタイプ脅威
教科書とジェンダー
文化部・運動部
運動部のマネージャーという存在
制服の歴史とジェンダー
自分らしさと校則
ジェンダーレス制服
4 他者のまなざしの中の自分
「自分」ってなんだろう?
友達関係とジェンダー
多様性を認めるとは
期待されるようにふるまう
女子の友情?
女性内分化――女子集団の構造
かわいさの呪縛――それでも友達
「女らしさ」のステレオタイプ
ジェンダーと自己主張
男の子はいつまでたっても男の子?
男同士の関係性におけるジェンダー
男性内分化――男子集団の構造
性別二分法に基づかない子どもたちの困難
愛という名の暴力――デートDV
5 大人になっていく過程で出会うジェンダー
「大人」になる準備期間としての一〇代
入試は公平じゃない?
高校の学科別在学生の男女割合
文系,理系「向いてない」は誰が決めるの
女子に対する積極的是正策(アファーマティブ・アクション)
ロールモデルの存在
職業選択
自分らしい働き方を手に入れよう
職業の呼称
働き方改革と「女性の活躍」
ジェンダー・バイアスをこえて
6 ライフキャリアの実現に必要なこと
自分らしいライフとキャリアって?
大学や専門学校で学ぶことは,何のため?
授業で本音を語れない?
まだ見えにくい未来の私
結婚はゴールか
それぞれの文化を背景に新しい文化を創る
家事・育児は誰がする?
「手伝うよ」とは言わないで
「イクメン」という言葉
パートナーシップ制度
選択する力,考える力をもとう
次の一歩のために
引用文献
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まる子

23
昭和に生まれた人にしてみると、これまで生きてきた環境で男女の区別は当然あった。平成生まれでもそう変わらないのではないかな?ここ数年て学校では男女ともに「◯◯さん」と呼び、学級名簿も男女混合が普通になってきた。男性と女性、それぞれその性でしかできない事はあるけれど、学び、進学、就職、結婚、とこれから経験するだろう自分たちを、同調圧力という名の空気に時に抗いながら、10代から問いをみつけ、考えて行動できる未来を創ってほしい。昨年の新聞にもあった日本のジェンダーギャップ指数が下から数えた方が早い現実もある。2024/05/04

katoyann

18
中高生を主な読者対象として、ジェンダーとセクシュアリティについて分かりやすく解説した入門書。大学の医学部における不正入試や理工系に進学する女性の少なさなど教育機械に関する不平等から結婚の現実まで幅広く論じられている。ステレオタイプ脅威というキーワードで、女性が理数科目に対する学習意欲をなくしたり、働く意欲を削がれたりする要因が分析されており、基礎知識の把握にうってつけである。また、結婚の実態に家制度の残滓が見え隠れするという問題も指摘されていて、クリティカルな本でもある。2024/02/18

kirinsantoasobo

14
図書館本。これを読んでジェンダーという言葉の認識が一部しか出来ていなかったことに気付きました。そもそも、子供の頃から男の子は女の子はというイメージを植え付けられていることに違和感がないことが問題なんだと知りました。男女平等という言葉で議論するのもおかしいような気もしてきます。経済を支えるのも子育てをするのも守られるべきものも、男女関係なく人はすべて平等だということですよね。こどもの頃から男女の区別をして話したり制限したりしないように、大人が変わっていかなければいけないのだと感じました。2024/03/09

ochatomo

12
フラワーデモとしての読書会課題本 1975年の国際女性年からジェンダーが注目されるようになった 社会の中で当たり前とみなされている性別にかかわる決まりごとは、大人も一緒に考える必要があり、気づくために事例や研究だけでなく映画やコミックも紹介されてわかりやすいと思った 何より18歳成年の意味として、高校卒業後の進路について親ではなく本人の意志が通じる効用がわかった 2023刊2024/05/22

みさと

8
法律上は男女平等である学校が、実はジェンダー・バイアスを内面化させる場所だと気づいているだろうか。男女二分法に基づいた集団分け、制服、役割分担、教科指導、進路指導が今なお行われているとしたら、知らず知らずのうちにジェンダー化された価値観が「普通」となってしまう。性別役割分担を「常識」とする周囲からのまなざしに晒されて、空気を読んで望まれる態度をとり続けていないか。十代が直面するジェンダーの問題を過去・現在そして未来に向けて考える。自分らしさとは何?バイアスとは何?自分ゴトとして考えるきっかけを投げかかる。2024/02/20

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