岩波ジュニア新書<br> 源氏物語入門

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岩波ジュニア新書
源氏物語入門

  • 著者名:高木和子
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
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  • ISBN:9784005009749

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内容説明

日本の古典の代表か,世界の文学か,色好みの男の恋愛遍歴か――.平安時代から現在まで,人々を夢中にさせつづける『源氏物語』って,いったい何が面白いのでしょう.物語の展開をたどり原文の言葉にも触れながらその秘密を探ります.初めて読む人から『源氏』ファンまで,千年生きる物語の魅力に今,出会ってみませんか.

目次

はじめに
一 紫式部ってどんな人?
紫式部という人
源氏物語の制作へ
物語とは何か
紫式部と道長
紫式部の自負の形
紫式部の晩年
コラム1 学識ある女――『紫式部日記』より
二 源氏物語って不道徳な話なの?
光り輝く皇子の誕生
光源氏という男の生涯
恋と政治の物語
「ものの心」と歌を詠むこと
コラム2 物語の始まり――光源氏の両親の悲恋
コラム3 一夜限りの関係――空薰との逢瀬
三 似た人を好きになってもいいの?
初恋の人,藤壺
若紫と藤壺と
紫の上の成長
紫の上の不幸と自立
コラム4 光源氏と紫の上の出会い――北山の垣間見
コラム5 許されない恋――光源氏と藤壺の贈答
四 活躍する男たち
惟光の活躍
恋の仲介をする従者
仲介役のいない恋
恋のライバル
コラム6 恋のドタバタ喜劇――老女 源典侍と若者たち
五 嫉妬に狂う女は嫌われる?
六条御息所の生霊
二人妻の物語
紫の上の嫉妬
嫉妬と身分
コラム7 愛人の悲哀――葵祭の車争い
コラム8 生霊出現――葵の上に取り憑く六条御息所
六 危険な恋とその 末
敵対する家の娘と
禁忌の恋の魅惑
なぜ須磨に行くのか
関係を守るか裏切るか
コラム9 都を遠く離れて――須磨で月を見る光源氏
七 笑いものになる女,ならない女
末摘花の奇跡
女性たちの生活基盤
心変わりしない大切さ
欠点を隠せるか
笑いものになること
オチとしての笑い
コラム10 待ち続けた女――末摘花に再会する光源氏
八 政治闘争の行方
光源氏復帰後の情勢
女君たちを邸に集める
有能な政治家とは
玉鬘と近江の君と
鬚黒と北の方の離婚
コラム11 色好みの王者――玉鬘との別れ
九 いい家のお嬢さんはもてるのか?
光源氏晩年の若い妻
天皇家の女性の結婚事情
結婚三日目の夜,それぞれの思い
光源氏の正妻は誰か
コラム12 口に出せないつらさを歌に――嫉妬する紫の上
十 悲劇は因果応報か?
柏木の憧れ
柏木密通とその 末
男同士のその後
愚かしさと業の深さと
コラム13 運命に復讐される――女三宮の密通を知る光源氏
十一 死ぬ時って,結局ひとりなの?
晩年の紫の上の懊悩
絆と遺言
女君の死とその後
死者の遺志
紫の上臨終と光源氏の晩年
コラム14 ヒロインの最期――紫の上と光源氏の別れ
十二 光源氏没後の次世代の人々
「ゆかり」から「形代」へ
光源氏と薫
ライバルの男たち
女性に救いはあるか
コラム15 次世代の恋物語の幕開け――宇治の姉妹の登場
十三 女は一生独身がお気楽なの?
求愛を拒む女君たち
朝顔の姫君の場合
落葉の宮の場合
宇治の大君の場合
コラム16 好きだからこそ結ばれない――大君の最期
十四 密通する女の気持ち
藤壺,空薰,女三宮の密通
浮舟をめぐる三角関係
最後の女主人公
男と女の行き着くところ
コラム17 翻弄される女の自立――薫を拒む浮舟
十五 その後の歴史の中で
平安後期以後の受容と本文研究
物語の本文とは
中世から近世の注釈や受容
近代の研究と現代語訳
戦後の源氏物語研究の動向
世界文学,翻案,外伝など
一般への普及と現在
コラム18 夕顔や浮舟に憧れる――その後の愛読者たち
主要人物紹介
主要人物関係図
年立(物語世界の年表)
参考文献
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひよピパパ

26
『源氏物語』を知るのに恰好の入門書。「ジュニア」新書といって侮ることなかれ。物語の骨組みを教えてくれるのみならず、最新の研究成果をふまえた解説は含蓄に富む。随所に置かれるコラムも原文を味読できるよう工夫されていてよかった。自身にとって勉強になったのは「絆(ほだし)」について。当時は往生を遂げる妨げの意味だったという。『源氏物語』が現代までどのように読み継がれてきたかを教えてくれる最終章も印象的。それぞれの文学者の現代語訳についての解説あり。現代語訳の背景には玉上琢彌、秋山虔ら国文学者の助力があったとは。2024/02/12

葵@晴読雨読

22
図書館本。途中で時間があいてしまったけれど、とても読みやすい。源氏物語入門書。15のトピックでふりわけられていて、興味深く読めた。2024/02/25

明るい表通りで🎶

18
「同時に二人の人を好きになることはありませんか。なかなか表立って『あります!』とは言いにくいですね。でもそもそも、なぜ一人しか好きになってはいけないんでしょうか?」 時代や情況を超え、いつまでも変わらない人間心理に驚かされ、深く共感させられるからこそ、千年の時を超えて、読み継がれてきたと、深く実感する入門書。「人がいかに自制しても、常に倫理的に常識的に生きられるわけではないという、不都合な真実を伝えている」物語。2024/02/28

coolflat

16
4頁。源氏物語は、夫の宣孝が他界した後に執筆され始めたという説が一般的だが定かではない。紫式部は宣孝が没して数年後の1005、6年頃、藤原道長の娘の彰子に仕え始めた。道長は娘の彰子周辺の文化的な水準を高めて魅力的にみせることで、一条天皇の関心をひき、多くの皇妃たちを凌駕して彰子が寵愛されることを目論んだ。ことに一条天皇がかつて寵愛した藤原定子周辺の教養の高さを意識し、とりわけ定子に仕える清少納言が書いた枕草子への対抗意識もあったと思われる。源氏物語や紫式部日記の制作はこうした背景のもとに推し進められた。2024/07/24

Francis

15
古典「源氏物語」の入門書。主人公光源氏の女性との関係がどのようなものだったか、よく理解できた。「源氏物語」は20数年前いわゆる与謝野源氏で読んでいるのだが、改めて再読したくなった。2024/01/22

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