岩波科学ライブラリー<br> 「はやぶさ2」は何を持ち帰ったのか - リュウグウの石の声を聴く

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岩波科学ライブラリー
「はやぶさ2」は何を持ち帰ったのか - リュウグウの石の声を聴く

  • 著者名:橘省吾
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000297240

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内容説明

小惑星リュウグウに着陸し,試料の入ったカプセルを地球にもたらした探査機「はやぶさ2」.リュウグウの石は,実に様々なことを語ってくれる.この小惑星と太陽系の歴史.海や生命の材料は地球の外にありえたのか.採取装置の開発を担当し,持ち帰られた試料の初期分析を統括した著者が,リュウグウ試料分析の成果を語る.

目次

はじめに
1 なぜ,地球の外へ
はじまりは月の石
太陽・彗星から持ち帰る
「はやぶさ」,小惑星に挑戦
サンプルは雄弁
同位体が語ること
ちょうどよく中途半端
2 「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ
小さいことはいいことだ
隕石から知る太陽系
炭素質コンドライト
隕石の故郷はどこか?
わからないから,取りに行く
目的地を決める
石とり係になる
旅立ったサンプラー
3 リュウグウへ到達,そして帰還
「そろばん玉」の理由
水の痕跡
タッチダウンに向けて
発射された弾丸
人工クレーター,そして2回目の成功
舞い上がった花吹雪
カプセルを出迎える
何かが入っている!
真っ黒な粒子
ありふれた石
4 生まれたての太陽系からの声──リュウグウの石を分析する
太陽を固めたような隕石
リュウグウも太陽の石
水との反応の記憶
リュウグウ城は温泉の中?
液体の水の中で
残っていた温泉水
先輩は方解石
磁性鉱物ジッコさん
残っていた磁場
キャスティングボート
生き残った塵
無視のできない第三勢力
ガスを持ち帰る
ガスを逃がさない!
気体は期待どおりに
石の中の気体も語る
宇宙風化
見た目が変わる理由
リュウグウも風化する?
リュウグウがまとうヴェール
コラム◎弾丸発射の証拠
コラム◎おまけのQ粒子
5 生命の材料はどこから──リュウグウの有機物を追う
生命の起源と「はやぶさ2」
リュウグウスープの味は?
宇宙からのアミノ酸
自然はときに間違える
ビタミンと生命
リュウグウにも核酸塩基とビタミン
生命のもとは宇宙で準備?
星のゆりかご
分子雲の記憶──固体有機物も語る
リュウグウのケロジェン
窒素を失った?
ほどくと生命の材料に?
エピローグ──リュウグウと太陽系の46億年
太陽系の原点
遠方からの旅人
生命材料の準備
リュウグウの営みはつづく
「はじまり」の理解のはじまり
おわりに
図版引用元一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

87
2014年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」は、2020年12月小惑星リュウグウの石を持ち帰った。2021年からサンプルの分析が始まった。現在出版を待つ論文の総数は80編を超える。炭素質コンドライトの故郷と思われるC型小惑星の石と希ガスの分析から、太陽系の元素存在度に非常に近く、「生命の起源」はわからないが、「生命の材料の起源」と考えられる。希ガスの分析では太陽系誕生以前の希ガスも、太陽系誕生直後の希ガスも含まれていることがわかった。2023年JUICEが打ち上げられた。今後も新たな知見が楽しみである。2024/05/19

kan

22
かなりの科学書で読了に時間がかかったが、宇宙や生命の謎に一歩ずつ迫っているようで興味深かった。サンプル分析の意義と展望、リュウグウの構成のCIコンドライトとの類似とそれの示すものなど、気の遠くなるような研究の積み重ねに頭が下がる。オーストラリアの砂漠でのカプセル回収劇を報道で見聞きしていたが、その分析結果が読めて嬉しい。カプセル回収3ヶ月後に、ご縁がありはやぶさ2プロジェクトマネジャーの津田雄一さんに当時の勤務校で講演していただいたが、若者に希望を与えるお話で刺激的だった。本書も多くの高校生に薦めたい。2024/06/22

Garfield

16
はやぶさ2のサンプル回収カプセルの開発、回収、その後の分析に関わった科学者がはやぶさ2がもたらした知見を説明。心に残った2点。まず、例えば、制作過程で使った部品の微粒子をサンプルとして保存して、回収後のサンプルが汚染されていないか確かめられるようにする等、カプセルの設計と製造は驚愕するほど多くの可能性を考慮しながら行われた点。また一つ本書を読み腹落ちしたのは、小天体リュウグウが選ばれた理由。小さな天体だからこそ、長期間にわたる大規模な地質活動がなく太陽系の始まりの記憶を失わずに残している! ★★★★☆☆☆2025/12/18

すくすく

10
太陽系の初期に、リュウグウをつくった塵の鉱物が、一緒にリュウグウをつくった氷が熱で溶けた液体の水と反応して、含水鉄物へと変わっていったのだ。さらにこの水の中には、二酸化炭素や有機物も含まれていた。リュウグウが保持していた太古の水は、炭酸水だったのである。この二酸化炭素は、太陽系初期のドライアイスに由来する可能性が高い。昇華しやすいドライアイスは当時、太陽からかなり離れた低温領域にあったと考えられる。現在は地球に近い軌道をもつリュウグウは、太陽系の外側で形成されはるばる旅して現在の軌道へとたどり着いたようだ2024/10/14

takao

4
ふむ2024/04/07

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