内容説明
2000年5月3日,佐賀駅から福岡天神行きの西鉄高速バスが17歳の少年にバスジャックされ1人が死亡,2人が負傷した.事件に遭遇した山口由美子さんは重症を負い,恩人を喪った.その後,山口さんを子どもたちの居場所をつくる活動に邁進させた原動力は? 穏やかな筆致が胸に迫る当事者ノンフィクションの書き下ろし.
目次
Ⅰ
第1章 事件のこと
1 バスの中
2 リハビリの日々
3 カウンセリングを受ける
4 「居場所」のヴィジョン
第2章 塚本先生と私
1 塚本達子先生との出会い
2 塚本先生の「幼児室」
3 塚本先生の子どもへのまなざし
4 塚本先生との信頼関係
第3章 事件の後の変化
1 子どもが持つ、育つ力
2 「少年」の両親
3 人前で話す
4 「修復的司法」という言葉は知らずに
5 塚本先生の本
6 「少年」の両親と3度目に会う
7 事件から一年の頃
Ⅱ
第4章 関係の波打ち際
1 不登校の子を持つ「親の会」から始まる
2 娘の「居場所」探しの頃
第5章 子どもたちの「居場所」ができていく
1 「親の会」からの提案
2 「なんもしてもらわんでよか」
3 子どもが観察する側にも
4 ケンジくんのタバコ
5 「道具」が必要なわけ
6 居場所の引っ越し
第6章 「親」「大人」のありかたとは?
1 28歳で反抗期
2 低学年のマサコちゃん
3 「親の会」のやくそくごと
4 2回目の引っ越し
5 次男にさとされる
Ⅲ
第7章 被害者の視点、加害者の視点
1 少年刑務所で話す
2 シャイなカズオくんのその後
3 ハッピービバークの別邸の始まり
第8章 「少年」と出会い直す
1 京都医療少年院からの打診
2 渡辺位先生を迎えて
3 少年との面会
4 「ハッピービバーク」は治療の場ではない
5 2回目、3回目の「少年」との面会
6 「少年」の出院
7 「修復的司法」とは
第9章 事件から10年
1 「少年」への手紙
2 ときどきペースダウン
3 親の心を子どもは敏感に感じる
4 「ただ聴く」ということ
おわりに──幾つもの波をこえて
あとがき
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