忘れ得ぬ言葉 私が出会った37人

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忘れ得ぬ言葉 私が出会った37人

  • 著者名:鎌田慧
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000616058

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内容説明

「自分の逃げる姿勢というものは許せない」――瀬戸内寂聴さんをはじめ,大江健三郎,石牟礼道子,菅原文太,やなせたかし各氏など,三七人から直接聞いた印象深い言葉を紹介.戦争,原発,公害,えん罪,基地問題など,権力に抗し,あくまで人びとの側に立ち筋を通したそれぞれの人生を,豊かな筆致で描く愛蔵版エッセイ集.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

I
大江健三郎「私らは原発体制の恐怖と屈辱のそとに出て、自由に生きて……」
瀬戸内寂聴「やはりそういう自分の逃げる姿勢というものは許せない」
鶴見俊介「国家が絶対だと言う。そこのところをのみこめない」
小田実「人間みなチョボチョボや」
井上ひさし「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく」
色川大吉「車椅子生活になっても、夢ではよく△△の蹶起集会に参加しています」
灰谷健次郎「教育を変える力は、教師にあるってことを自覚してほしいんやけど」
小沢信男「人は生きていたときのように死んでいる」
やなせたかし「正義というのは信じがたい。簡単に逆転するんですよ」
むのたけじ「死ぬ時、そこが人生のてっぺんだ」
II
佐多稲子「そして私たちは歌い出した、私たちの闘いの歌を」
花田清輝「君は書けないんですか」
今村昌平「映画づくりは狂気の旅」
新藤兼人「スターもバイプレーヤーもありません、そこでいかに生きるか……」
左幸子「鉄道労働者は国の宝」
寺山修司「私は、私自身の原因である」
水上勉「みんな、ハガキをやりとりし、足で歩いてつきあっていたのですね」
丸木俊「悲惨な戦争から、悲惨なものを除け、というのは……」
III
熊谷あさこ「海が汚されたら大間は終わりだ。海と畑があれば人間は食っていける」
寺下力三郎「水準点以下の村民の生活を基準にして村政に取り組む……」
木内みどり「頑張れる!あれで根性入った」
菅原文太「みんな死んじゃったね、あるのは墓ばっかりってことにだけは……」
高木仁三郎「人間は巨大技術で自然界を支配する権利などない」
戸村一作「闘争は芸術の宝庫である」
袴田厳「もう世界の神にたいして期待はないんだ」
熊本典道「これはわれわれが裁かれているような気がします」
矢野伊吉「不正義に気付いてしまったなら、気付いた人間がやはり……」
IV
石牟礼道子「わたしのことではなく、ゆりさんのことを書いてください」
上野英信「かねを惜しむな。時間を惜しむな。いのちを惜しむな」
松下竜一「海を殺すな!ふるさとの海を奪うな!海が泣いているぞ!」
原田正純「家庭訪問が医者の原点」
伊藤ルイ「いきいきと生きはじめたばかりなのに、なんでいま死ねるもんですか」
佐木隆三「鉄と人間――わたしは正面から、このテーマに取り組みたいと思う」
本島等「やられるかもしれない」
大田昌秀「どんな非難、中傷、謀略ビラでたたかれようと……」
阿波根昌鴻「わしゃ、当分死なない。病気にもならない。休むことはできない」
斎藤茂男「事実が『私』を鍛える」
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

40
自分の立ち位置をどこに置き、視線・視野・視座をどうするか。見て見ぬふりをしない力は凄い。なかなかできないが、そんな方向を向いていたいと思う。オードリー・タンさんの言葉も浮かぶ。どこから光をあてるのかにかかっている。共通しているのは、一人一人のひとに思いをはせること。2023/11/12

Naoko Takemoto

10
社会派ルポライター鎌田慧が出会った人々との思い出や交わした言葉をひとり数ページで語る。兎角見て見ぬふりをし、他人事と目を背けがちな世の中にある不合理、理不尽に立ち向かう人々のこと。正義を持てとは言わない、振り向き考えるだけでもいいから、と言われたようだ。袴田巌さんのことが堪らない。私は袴田さんのお姉さんが本当に素晴らしい人だと思う。2023/10/06

ゆうろう

1
今年の初読了本。鎌田慧さんの選んだ37人。初見の人も多く、還暦間近の自分の無知さに呆れる。P74埼玉東村山市の「原爆の図 丸木美術館」は是非訪れたい。上野英信さんの名前は知っていたが、元炭坑夫の南米移民を描いた『出ニッボン記』、『眉屋私記』を読んでみたくなった。トリは共同通信記者だった斎藤茂男氏。彼の「日本の幸福」シリーズは中学生の頃、地元紙夕刊で連載されており、貪り読んだ記憶があるなー。その夕刊も今はない。有名無名など関係なく、対象者への鎌田さんの謙虚な思いが伝わってくる好著。対象者も著者も素晴らしい。2024/01/02

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