先生が足りない

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先生が足りない

  • 著者名:氏岡真弓
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615907

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内容説明

「授業ができる人がいない」「どれだけ探しても見つからない」「代わりがいないから休めない」……全国的に発生している教員不足は,すでに子どもたちや教育現場へ深刻な影響を及ぼしている.朝日新聞紙面上でこの問題を一〇年以上追い続けてきた記者が,厳しい実態と正規/非正規教員をめぐる教育制度の実情を書き下ろす.

目次

第一章 教員不足の「穴」の広がり
無風の一面トップ記事
自習どころか中間テストもできない
「なぜわざわざこんなことを調べるのか」
教員予備軍不足=鯉の減った池
教員不足が一〇年でまるで違う次元に
なんと四%の学校で教員不足
ついに文科省調査実施,だが......
それでも不十分な盛り上がり
見えぬ展望
第二章 先生不在の学校現場
「うちらは捨てられてる」
お兄さんが来たが
英語,英語,英語
「このなかに教員免許をお持ちの方はいらっしゃいませんか」
「教育委員会が探しても,いないって言うんですよ」
教務主任と担任を一人で受け持つ
集中する負担と「連鎖休職」
専門外の教科を教える苦しみ
実験猛特訓したけれど
妊娠を喜べない
「保水力」を失った学校
第三章 先生が足りない理由
文科省調査が示す「要因」
教員のなり手減の実情
教員不足の四段階
そもそも正規教員が足りていなかった
非正規教員への依存体質
規制緩和で抑制された正規教員
「改革」の陰で起きていたこと
学生たちの教職離れ
魅力の発信では響かない
見えにくい展望,背後の長時間労働
第四章 教員不足から脱却できるのか
教員不足の行き着く先は
文科省も教委も動いてはいるが
「教員不足」とは
正規教員と非正規教員の「密接な関係」
データがカギ
なんのための調査か,設計からの再考
教員政策の検証を
研究者たちからあげられる提言
オープンな議論を
教員の働き方改革に「非正規」は入っていたのか
子どもへもたらす影響という大問題
公教育が崩壊しつつある
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りー

30
4月。新しいスタートにワクワクして教室へ来ると「このクラスにはしばらく先生がいません。今、探しています。」と大人に言われる。隣の教室からは楽しそうな笑い声が。「うちらって、見捨てられたんだ。」と言った子どもたちのリアルな呟きが胸に迫る。こんな学校が、現実、いたるところにある。あまり表沙汰になっていないのは、現場がまさに命を削ってフォローしてきたから。それに対して、文部科学省の動きは明らかに鈍いように感じた。もっと驚いたのは、教員不足に喘ぐのは諸外国も同じだということ。解決に向け、今後の研究が待たれる。2023/06/21

TAK.I

14
教員不足がようやくメディアで取り上げられるようになった。著者曰く、10年前から問題提起していたのに、当時は全然反響がなかったとのこと。本著は教員不足の現状やその原因などについてまとめられている。教育は未来への投資だ。それを担う教員が足りないのでは、これからの社会を創る若者が育たない。まさに異常事態だ。この実情を保護者に正直に伝えることがタブー視され、結局現場でやりくりする中でさらに疲弊した教員が療休に入る悪循環。教育界だけでなく、例えば物流業界の2024年問題。超高齢社会の日本が抱える課題は山積している。2023/08/03

どら猫さとっち

9
現在の教育現場が深刻化するなか、教員の人員不足も起こっている。教師の仕事内容、生徒や親ヘの対応など、問題が山積みになっている。切羽詰る教育現場を、冷静な筆致で綴るノンフィクション。生徒はおろか、教員も大事にしない教育は、破綻しかねない。筆者は取材を動かせなかったことに反省しているが、この現実を世に知らされただけでも、意義のある仕事をしたと讃えたい。2023/10/18

ばちゃ

7
怖い、ホラーくらい怖い。保育士だけじゃなくて先生も足りてないのね。先生、いくつ命があっても足りない。子どもたちのために、と先生たちが頑張れば頑張るほど、なんとかしてしまえばしまうほど、助けの手がこないんだな、きっと。この状況が、早く改善していきますように。子どもたちのために、先生たちのために。2023/07/27

Hachi_bee

5
#本丸は定数法 2023年4月刊で6月15日付けで第2刷。どこまで増刷されるか。教員不足を解決するため、みんなで状況について共通理解していきたい。 定数法と免許法をどうにかしなくてはならない。 将来の人余りを嫌うばかりに目の前の子どもたちをないがしろにしていいのか? 今の免許法では「とりあえず取得しておこう」っていうのは無理。様々な人材を求めるためには、臨時免許よりも正規の免許を取り易くするべき。 昔の育英会の奨学金みたいに条件付きで返還免除の奨学金を作らないと、裕福な家庭の子どもしか教壇に立てない、2023/07/30

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