ウィーン ユダヤ人が消えた街 - オーストリアのホロコースト

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ウィーン ユダヤ人が消えた街 - オーストリアのホロコースト

  • 著者名:野村真理
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 岩波書店(2024/04発売)
  • ポイント 29pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000222457

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内容説明

冷戦後の史料公開や研究の深化により,ホロコーストの「傍観者」=現地社会の加害の面が明らかになった.世紀末ウィーンに一八万人いたユダヤ人の苛烈な追放を可能にしたものは何か.多民族帝国から近代国民国家への激震の中,被害と加害のはざまを揺れ動いたオーストリアのホロコーストを,戦後の歴史政策も含めて描き直す

目次


第Ⅰ部 オーストリアの反ユダヤ主義
はじめに
第一章 近代的反ユダヤ主義言説の形成
一 近代の成功者ユダヤ人
二 大衆政党の登場――社会民主党とキリスト教社会党
三 キリスト教社会党の反ユダヤ主義
第二章 両大戦間期オーストリアの反ユダヤ主義
一 反ユダヤ主義言説の転換
二 オーストリア・ナチの登場
三 真のドイツ性と反ユダヤ
第三章 ユダヤ人社会の政治的孤立と窮乏化
一 世紀末ウィーンのユダヤ人
二 政治的ホームレス
三 ユダヤ人社会の窮乏化
第Ⅱ部 ホロコースト
はじめに
第一章 エクソダス
一 合邦の衝撃
二 ウィーン・モデルとは何か
三 ユダヤ人移住本部
第二章 移住から移送へ
一 第二次世界大戦開戦から独ソ戦まで
二 ユダヤ人社会の消滅
三 正義と不正義の境界
第Ⅲ部 二つの顔を持つ国
はじめに
第一章 オーストリアの戦後補償
一 犠牲者援護法と返還法
二 国外の犠牲者と相続人不在の財産
第二章 オーストリアの歴史政策
一 ヴァルトハイム事件
二 歴史政策の転換
あとがき
主要文献目録
人名リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harumi

10
オーストリアという国の印象がすっかり変わってしまった。「姑息な、ずるい国」。でも日本だって人のことは言えない。第二次大戦中アジアの国々に行った加害行為について、歴史の授業でしっかり教えてもらったかというとかなり心もとない。空襲や原爆投下についてはかなり詳しく教えられたのに。2024/06/15

田中峰和

6
ユダヤ人への迫害はキリスト教が浸透して以来続いている。アジア人から見れば宗教差別だけではないような気がする。知能が高く医師や弁護士、銀行家など社会的立場の高いユダヤ人への劣等感の裏返しなのではないかと感じてしまう。迫害は職業資格にいち早く着手され、医師や弁護士の資格剥奪、次に大学からの追放へ、さらには土地家屋、財産まで奪ってしまうという徹底ぶりだった。ナチに歯向かう首相が追放され、オーストリアでの迫害は加速する。職業を奪われたユダヤ人に素手で道路を磨かせる虐待。ドイツで5年かけた弾圧を5日で実施したのだ。2024/04/04

takao

3
ふむ2024/04/13

john

2
ユダヤ人を追い出すために仕事も住居も財産も全て取り上げ、移住するためには様々な手続きと税金を払うことが必要で、持ち出す外貨も制限される。面倒になったのか、貧乏で移住できないユダヤ人たちを大量に銃殺し始める。 ユダヤ人というだけで、強力な洗剤で歩道を磨かされ、昨日までの隣人が嘲笑いながらそれを見ている。この理不尽な状況から誰も助けてくれないということがはっきりわかった人々の絶望感はどれほどであったか。酷い、あまりに酷い。こんな時代に生まれなくてよかった。2024/03/24

hoven

1
中々に酷いオーストリア。ナチスの被害者面してユダヤ人に謝罪せず、さらに西ドイツから金をふんだくって、さらに元ナチスを復権。ナチス前から様々なユダヤ人差別をおこなってた。2024/09/24

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