内容説明
事件記者になりたい一心で産経新聞に入社した著者は、現場での同業者たちに違和感を抱くようになる。なぜ彼らは特定の勢力や団体に甘いのか。左派メディアは、事実よりもイデオロギーを優先していないか。ある時は警察と大喧嘩をし、ある時は誤報に冷や汗をかき、ある時は記者クラブで顰蹙を買い、そしてある時は「産経は右翼」という偏見と闘い……現場を這いずり回った一人の記者の可笑しくも生々しい受難の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
106
産経新聞で警視庁・国税庁などを担当し、新聞不況のリストラの中、52歳で退職するまでの著者の体験記である。権力とメディアとの癒着、記者クラブ内部の陰湿な体質、一方で記者同士の横並び意識、新聞社の序列に基づく優越・劣等意識などが具体的に描かれる。日本のメディアの持つ余りにも前時代的な体質を、これでもかこれでもかと読まされて、辟易とした気持ちになるというのが正直な感想である。左翼系の市民団体の非常識な行動や、産経は右翼というデマとの闘いなどが例示されるが、「メディアはなぜ左傾化するか」というタイトルは羊頭狗肉。2024/06/12
mazda
67
入社試験の段階でふるいにかけられているし、自衛隊が動くとシュプレッヒコールされるような国で、中立的に取材なんてできるわけがないです。どっちの立場に立つのが楽なのか、火を見るよりも明らかなので、そうなるのが自然です。2024/06/25
tamami
65
「心情左翼なのに産経新聞に入ってしまった」著者の記者人生半生記。1991年の入社以来、所属部署で記事となった事件や事柄を巡る、表裏が入り交じった事情が具体的に取り上げられて興味を惹くけれども、当方の世間の狭さもあって、やや雑な読み方になってしまう。表題の「メディアはなぜ…」については、「歴史教科書を巡るマッチポンプ」の部分等を読むにつけても、左派の独擅場と化した多くのメディアと、自分の思想・信条に合致した傾向の媒体しか関わらない読者という実態では、正常化!が図られることはなく、それで良いのだろうかと思う。2024/06/28
yokmin
15
記者の横並び体質には、本当に驚いた。本のタイトルと中身が一致しないのは残念。2024/06/24
tomo
13
☆☆☆☆ 朝日新聞に代表されるように、メディアには左がかった幹部が代々連なってきているのは予想通りだけど、「市民団体」がしょっちゅう県庁などで“レク”と呼ばれるアジを行い、それを記事にして読者はありがたく読んでいるのかぁ。毎日大量の記事が必要で大変だと思うけど、“レク”を半分ありがたがっている記者って😪 SNSが発達して、もはや新しい情報でもなければ真実を追求することもない。インテリが書いて、ヤクザが売って、バ○が読む。新聞は(経営主体が同じTVも)、間違いなく斜陽業界だ。2024/07/20