日本経済新聞出版<br> ランド・パワー原論 古代ギリシアから21世紀の戦争まで

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日本経済新聞出版
ランド・パワー原論 古代ギリシアから21世紀の戦争まで

  • ISBN:9784296118168

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内容説明

【勝敗を決する陸上戦力運用の論理を多角的に解説】
 陸地は海・空と違い占有が可能であり、戦争の最後の勝敗を決するのは陸上戦力と位置づけられる。空、宇宙、サイバー空間支配の重要性が高まっているが、ウクライナ危機に見られるようにサイバーの前哨戦を終えた後はやはり地上の支配をめぐるランド・パワーの戦いとならざるを得ない。それゆえ、ランド・パワーは人類が永遠に追い求め、守る対象なのである。経済安全保障をはじめとする安全保障論議が身近なものとなっている日本においてもランド・パワーに関する知識は国際政治を理解するうえで欠かせない。本書は、古代ギリシア、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ヴェトナム戦争、イラク戦争などの戦争を題材に、軍事ドクトリン、ロジスティクス、インテリジェンス、連合・統合作戦、国民総武装、水陸両用戦争・作戦、エアランド・バトル、デジタル化などからランド・パワーの本質に迫る。

目次

第I部 ランド・パワーの理論
第1章 ランド・パワー  1900~2000年
第2章 ランド・パワー その過去、現在、将来
第3章 軍事ドクトリン
第4章 ランド・パワーとロジスティクス
第5章 ランド・パワーにおける指揮
第6章 ランド・パワーにおけるインテリジェンス
 第II部 ランド・パワーの歴史
第7章 古代ギリシア・ローマの戦争
第8章 西部戦線での統合あるいは諸兵科協同作戦
第9章 第二次世界大戦における連合・統合作戦
第10章 国民総武装
第11章 シー・パワー的ランド・パワーとしての水陸両用戦争・作戦
第12章 日本陸軍における水陸両用師団の運用
第13章 内線作戦と外線作戦
第14章 日本陸軍の宣伝戦
 第III部 ランド・パワーの現在と将来
第15章 エアランド・バトルと現代戦
第16章 陸軍のデジタル化とイラク戦争
第17章 ランド・パワーの将来構想の軌跡と展開

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

泰然

27
現代でも戦争の本質的原因はトゥキュディデスの古代ギリシャ時代から不変。恐怖、名誉、利益の三点。東洋思想との歴史的交流の長い日本は『孫子』の戦わずして勝利する詭計や戦略に魅了されるが、力の実体は殺戮にある。ランド・パワーは相手側を「強制」及び「抑止」するのはもちろん、地上を「支配」出来る唯一の力である。なので流血を厭う指揮官は逆説的に誰も関心を持たない。古代ローマ、ギリシャ、総力戦としての第一次世界大戦、旧日本軍のアジア戦線、イラク戦争等を事例に、地上支配の戦いと人間の本質思考に迫る骨太の教養書である。2024/07/14

masabi

10
ランド・パワーの基礎理論・戦史の事例・将来の展望を解説する。古代ギリシアから現代までの陸上戦を解説するものかと思っていたが、事例自体は第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争が中心だった。相手国を占領する陸上戦力はいつの時代にも欠かせないが、ランド・パワーのみでは戦争で優位に立てない。2025/05/07

Go Extreme

2
イヴァン・ブロッホの予測→第一世界大戦で証明 第二次世界大戦:精神と物質の両面で総合の極み 先進国:味方に被害のない戦争 ランド・パワー:人間の支配・手段としてのランド支配 国家や社会の価値観・規範反映 軍事ドクトリン≒思考枠組み・勝利の理論・思考の紐帯 ドクトリン機能の条件:知的態度・分権的指揮・適用範囲見極め 指揮の本質:すべきことを決定する意思決定 古代:数的優先<精神要素 日本:水陸両用戦争・作戦 戦略:策源と最終目的地までの作戦線 オブジェクティブ・フォース構想 マルチ・ドメイン・オペレーション2024/05/22

でんきひつじ

1
ランド・パワーに関する論説集。ランド・パワーは地上を主たる領域として行動する軍事力(P26)らしくかなり広い事象を内包する概念で一言では言い表しにくいらしい。理論/歴史/現在の分析及び将来予想の三部に分かれていて、それぞれの章末には「キーポイント」として要略があり、さらに学びたい人向けに「読書ガイド」まであって親切。あまり聴き馴染みのない概念だから理解するのが難しいところもあったけど、軍事学の基礎をある程度学べる本でもあったと思う。2024/06/19

タカバル

0
飛躍的進化を遂げるシーパワー・エアパワーの根源はランドパワーであり、本質的意味は人間・土地の支配である。海空戦力のみでの戦争の決着は無い。戦い方の考察の要素が複雑化するなかで、米軍が編み出したデジタル化の推移、将来戦におけるMDO構想が印象的であった。もはや教科書のような質とボリューム。2025/03/22

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