内容説明
濃密なフィールドワークを基に児童養護施設に住む小学生の多様性、行為の意味が持つ複数性を分析、施設における生活実践とそこで生じる子ども集団の問題を浮かび上がらせ、その社会学的なメカニズムを描き出す。ケア環境の形態のみに焦点化した家庭─非家庭の二項対立を超え、施設における実践を家族社会学の視座から緻密に分析する。
目次
序 章 施設で生活をする、家族と離れて暮らす
一 本書の意義
二 本書の構成
第一章 児童養護施設の社会学へ――「実践」への着目
第一節 児童養護施設をめぐる展開と社会背景
第二節 子どもが直面する「社会的」困難と施設に関する研究
第三節 本書における視座――「実践」から見る
第四節 研究課題と位置づけ――児童養護施設の日常生活における「実践」の社会学
第二章 調査概要
第一節 参与観察調査
第二節 インタビュー調査
第三節 調査に付随する問題――倫理と立場性
第三章 日常生活のエスノグラフィーと実践としての「施設」
第一節 生活の基本的な特徴
第二節 習慣的活動
第三節 イベント
第四節 子どもが抱える「問題」――心理的治療と投薬、通院
第五節 入所から退所まで
第六節 児童養護施設における営みの家族実践的考察
第七節 外形的な家族実践
第四章 施設内の仲間集団の影響と〈友人〉形成と実践
第一節 児童養護施設で暮らす子どもが抱える人間関係の問題
第二節 子どもを取り巻く多様な人間関係の実態
第三節 学校でできる〈友人〉関係形成の制限
第四節 〈友人〉形成の意味
第五節 子どもの〈友人〉形成と子どもの意見表明
第五章 コミュニケーションとして生じる子ども間の身体的暴力と実践
第一節 子ども間暴力への社会学的視点
第二節 暴力などに関する状況の記述
第三節 日常的に起こる様々な子ども間暴力の文脈
第四節 「男子性」実践としての身体的暴力
第五節 男子性の凝縮が起こる施設環境のジレンマ
第六章 子ども間での「差」と保護者との実践
第一節 問題の所在――児童養護施設の生活における「差」への着目
第二節 子ども間に生じる「差」
第三節 「差」をめぐる職員の葛藤と配慮
第四節 子どもの多層性と「差」によって生じるジレンマ
第七章 施設内のルールによる養育環境形成のジレンマと子どもの社会化実践
第一節 児童養護施設のルールをめぐる問題
第二節 施設におけるルールと日課をめぐる議論
第三節 ルールの意味
第四節 ルールや日課の相対化する生活現場での葛藤
第五節 ルールをめぐるジレンマ
第八章 施設において垣間見られる「家庭」実践
第一節 児童養護施設における「家庭的養護」の推進とその問題背景
第二節 施設Xにおける「家庭化」の影響
第三節 施設生活の中から浮かび上がる「普通」の大きさと子どもの将来
第四節 指導方針と判断基準のよりどころとしての職員の「家庭」経験
第五節 児童養護施設において「家庭」が参照される意味の考察
第六節 施設における「家庭」の浮上
第九章 結 論
第一節 施設生活における相互行為とその中で生じる諸問題
第二節 間にある実践への着眼
第三節 まとめと課題
付記
初出一覧
あとがき
参考文献
人名索引
事項索引
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