内容説明
いつの世も、貧困に苦しみながら懸命に生きる女性はいた
貧しくとも、凜として生きよ――
梅の木に帰郷の望みを託し、夫とわが子のために命を尽くした下級武士の妻の生涯を描く
何と美しく〈凛として〉切ない物語であることか。
生きることの哀歓漂い、抒情性に溢れた彫りの深い人物造形に定評がある作家による作品である……(中略)
藤原緋沙子が史料を渉猟し、独自の解釈と着想で、“時代小説”の衣裳を着せつつ、史実を超えた物語を立ち上げていくことを小説作法としている歴史小説作家であることがお分かりかと思う。
――雨宮由希夫氏(解説より)
桑名藩の飛び地・越後柏崎。
海鳴りと吹きすさぶ風、冬は雪に囲まれる僻遠の地に赴任を命じられた者は、島流しとも噂され、二度と桑名に帰れることはないと言われていた。
渡部鉄之助と妻の紀久は、跡取りの長男を故郷の両親に預け、幼子を抱えて勘定人としてこの地に赴いた。
だが陣屋暮らしは、着物一枚買う余裕もないほど困窮した。
夫と子どものため日々の暮らしを守る紀久の心の拠りどころは、日蓮上人ゆかりの番神堂に植えた、桑名から持参した梅の苗木。
この花が咲いたら故郷に帰れる――そう信じ、ひたむきに生きる紀久だったが……。
下級武士の妻として懸命に生きた女の一生を描いた傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃとら
46
永井沙耶子氏と間違え、梅の花と日蓮上人ゆかりの地に惹かれBOFFで購入。著者さん失礼しました。桑名藩の飛地、越後柏崎に飛ばされた若夫婦。実直に暮らす夫婦は貧困に喘ぐ。具合の悪い妻に変わり子育て家事をする夫。この時代に⁈と驚き。着る物も夫のお下がりを仕立て直す若い妻。後書きで実在した人物だと知る。妻は36歳で亡くなっていた。ただ、ただ過酷な人生だった。2026/02/26
ごへいもち
12
今はこういう感じの物は読みたくない2025/08/17
りんごさん
2
なんとなく救いのない感じ。 唯一の救いは弥助か。 子どもの頃、番神の海岸に毎年海水浴に行っていた、その時に寄った番神堂。冬の番神、当時の役人に思いが行くことは無くただ遊んでいた。 江戸時代の何とも理不尽な飛び地の暮らしに気持ちが塞いだ。2026/03/27
どきん
2
この物語何が言いたいの?とっつきにくい入口だったけど、いつの間にか読み終えていた。お紀久さんこれからだったのに…2024/07/10
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