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内容説明
清少納言や和泉式部が仮名文学で雅な貴族の世界を描いていた裏には、暴力が支配する武士の世界があった。それは地方だけでなく、都のすぐ近くでも人が殺されるような状態だった。そして、その雅な世界は武士による収奪によって成り立っていたのだ。この凄惨な時代、拡大・縮小を繰り返しながら、源氏と平氏が武士の代表格として確立してゆく。その背景にある、血の入れ替えと相剋の過程を克明に綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
68
ちょっと強引な論点も多かったけど面白く読めた。2024/09/07
よっち
38
清少納言が貴族の世界を描いていた裏には、暴力が支配する武士の世界があった。拡大・縮小を繰り返しながら、源氏と平氏が武士の代表格として確立した過程を解説する1冊。清少納言の兄を始末した源氏と増殖と血統浄化に賭けた平氏が、なぜ武士の代表格として確立されたのか。平氏が先に地盤を築きつつあったところを、どのように源氏が盛り返していったのか。藤原保昌や秀郷の子孫はなぜ同じような存在になれなかったのか。権力者との距離感や郎党として組み込まれていった過程だったり、鎌倉幕府における北条氏など、なかなか興味深い1冊でした。2024/05/05
楽
31
24年4月。『武士の起源を解きあかす~』の続編。前著を読んでいた方がよいが必須ではない。面白く読んだが、とにかくくどくて長い。本文中の300近い注(出典、引用文献)は最後にまとめて記載されているが電子書籍ならリンクにするか画面下に表示されるようにしてほしい。それもあって、文献への評価がほぼないまま引用だけされても、どの文献なのか確認するのに手間がかかる。論旨に影響しないとしても人名の特定、同定にも強引さを感じる。(続く)2024/10/25
みこ
26
紫式部の世界の裏で展開していった武士の発生。受領という権力者が力を蓄えていったのではなく、統治のために初めから暴力を持っていた人間に権力を与えたという指摘は面白いものがあったが、中盤以降はついていけず流し読みになってしまった。ヘタレの息子がいきなり武人になったのは母の血筋が武士だからとか、太郎と太朗のように読みが同じ人物を同一人物とするのならともかく、漢字が似てるから同一人物だとか。この理屈だと萩野さんと荻野さんも同じ人物になるのか?先にやらなきゃやられるこの時代に武士を暴力の人とするのもちょっとねえ。2024/05/29
MUNEKAZ
20
著者がちくま新書から出した『武士の起源を解き明かす』の続編。源平武士団の成立と女系の関わり、とくに藤原秀郷や藤原保昌といった「源平」と同等に成り損なった武士の系列との婚姻が、強力な武芸を生む土壌になったとする。著者は「品種改良」なんてドキツイ表現を使うが、競馬ゲームでもあるまいし、一世代の婚姻でそんなに変わるものかとも思う。まぁ妻問婚だから、妻の実家で育つことで息子の性向が変化したとしておこう。最後の鎌倉幕府についての見解もどうなんでしょ。いかにもな陰謀論っぽくもあるし…。次回作へのヒキとしては満点かな。2024/04/23
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