内容説明
すべての女性は母の娘。連帯、葛藤、愛、裏切り――世代を超えて繰り返される母と娘の物語。アメリカの女性作家が描いた傑作9篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
13
母と娘をテーマにしたアメリカの女性作家によって書かれた短編を集めたアンソロジイ。冒頭のシャーロット・パーキンズ・ギルマンの「自然にもとる母親」から、ぐっと掴まれた思いになったところ他の収録作も素晴らしく、面白く読みました。幽霊譚として面白い「幻の三人目」「暮れ方」や日系人の目から見た母親の思い出「十七の音節」が印象に残ったけれど、やはり横綱はフラナリー・オコナー「善良な田舎の人たち」でしょう。また、各作家と作品について丁寧に紹介した解説もとても良かったです。おすすめ。2024/07/30
m_bat_h
6
母娘の愛憎混じりの葛藤はこんなに昔から言語化されていたのか。アメリカなので人種や地域の偏見があからさまだけど、日本みたいに水面下に潜るよりましなのか。2026/07/29
寄り道
3
どの短編も母と娘の心にあるわだかまりがテーマだった。その中でも日系アメリカ人作家の『十七の音節』が印象的だった。やむを得ず日系アメリカ移民と結婚させられたが、夫と心が通い合う事のない日本人女性。俳句だけが夫の入り込めない自分だけの居場所だったが、その場所も夫によって暴力的に破壊される。内面までも否定され、より深く傷ついた彼女は、異性に目覚めかけた娘に「結婚はするな」と強く言う。日本の家父長制を引きずったままアメリカ社会で暮らさなくてはならなかった女性たちの苦しみが伝わってくる小説で、深い読後感が残った。2025/07/08
めがね
1
装丁から面白そうと思っていたけど大当たりだった。昔の作品も多いけど今も変わらず共感できて、そのことが切なくなった。どれも印象に残る話で作者の他の作品にも興味を持った。特に暮れがたと自然にもとる母親、ダーシー夫人と青い眼の見知らぬ男がすきだった。平凡社の他の出版物も是非読みたいな。2026/04/11
すぎなみ・k
0
アメリカの女性作家たちによる、19世紀末から20世紀末にかけて書かれた短編集。母の人生、娘の人生が重なり合うらせんのように見えたり、離れながら進んでいく小道のように感じられたりする。愛情や葛藤や社会が女に押しつけてくる理不尽が作品中ににじみ出る。そんな主題を女性作家が表現することも難しい時代があったのだろう。風景はなぜか日本人の私にとっても、とてもノスタルジックに美しく感じられ、古い町並みや海辺の家の映像が浮かび上がって来た。2026/09/05




