内容説明
観客の前で、出演者が殺された。
ミステリー劇が本物の殺人事件に――
犯人は舞台と客席、どちらかにいる?
元“空手チョップ探偵”が謎に迫る!
空手チョップが得意技の探偵役で15年前に一世を風靡した女優ミランダ。今は仕事もなく、遂にエージェントにクビを言い渡されてしまう。再起にはあのドラマの続編しかない─ミランダは脚本担当だった別居中の夫を説得するため、彼が暮らす町の劇団公演に参加することに。癖だらけの団員たちと殺人劇の稽古に励むが、出演者の一人が舞台上で小道具のシャンパンを飲んだ直後に死んでしまい……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
286
意外な掘り出し物。なかなか事件は起こらず凝ったトリックもないので、ミステリとしてのクォリティは決して高くはない。ミランダのキャラクターと破天荒な行動が楽しく、海外翻訳とは思えない読みやすさも手伝って、これぞコージーという読み口。それだけに終わらず、犯人の意外性や犯行理由にそこそこの驚きもあるので、ちゃんとミステリ好きも満足出来るのではないか。ビーやネッドを筆頭に、脇を固めるハッピーロックの住人も存在感抜群。こうなってくるとタイトルが残念で、まったく中身をあらわしていないことがマイナスとなるのではと心配。2024/04/24
か
25
ミランダは15年前にTVシリーズで一世風靡した元スター。今日のお金も無いぐらいなのに心がスターなのが抜けない、ちょっと天然。そんなある日ずっと別居している元脚本家の夫から絵はがきが届き、夫の住む町に行くことに。事件が起きるまでが長すぎると思ったが読んでいるとミランダが可愛く思えてくるので応援したくなった。小さな町の劇に出ることになり、リハーサルの最中に主演が舞台で毒殺されてしまう。ユーモアコージーミステリ。読後はニマニマしてしまう、内容も可愛らしい本だった。2024/04/23