内容説明
旧中国の官僚資格試験である科挙の制度とその実態を知らずして,中国の政治と文化は語れない。中国を学ぶひとは,座右において熟読玩味すべき書の補訂・復刻版。新たに懇切な解題と索引を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
17
高等官資格試験制度(11頁)。 清代においては、 答案は必ず楷書にて清書し、 原稿を造るに用いたる草案用紙とともに 提出するを要し、清書し終りたる者は、 自己の姓名を書せる浮票を剥ぎ取りて 後日の証拠のために所持し、 答案には単に坐席番号のみ記載(98頁)。 70歳以上の受験生は老生と称し、 会試の際に特別の班を成す(165頁)。 翻訳科挙というのは知らなかった。 社会の上層には門地を誇り、 排他的特権を要求する豪族群が 蔽いかぶさっていた(241頁)。 科挙は個人の才能を験すとはいえ、 2014/04/13
富士さん
2
中公新書の元ネタとなったであろう科挙の研究書です。しかし、重複はありますが切り口はこちらのほうが鋭く、中華文明の大きな欠陥としての無責任の別名としての“民活”への指摘は広く知られてしかるべきものです。科挙という社会技術の高い水準はオーパーツレベルなのも、もっと考慮されていい指摘です。ここでも最後に引かれている孔乙己の短編は魯迅の文才が知られる名作で、あまりに切なく涙を禁じえない内容です。ここでこれを引く著者の慧眼には改めて頭が下がる思いです。先行する『九品官人法の研究』も合わせて読むとより勉強になります。2013/01/06
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