内容説明
ほんの一瞬だけ平行して走る、二つの電車。それぞれの胸に違う痛みを抱えて生きるひなたと美咲。そんな二人の忘れられない出会いを描いた表題作ほか4作。女の子の日常の揺れる心をとらえた短編集。ジーンとした涙のあとに、元気が出ます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ここまま
33
小学生にもある微妙な人間関係。繊細だからこそアンテナがびんびん反応し、傷つく。4話の夏美と自分を重ねる。子供っぽいようで人をちゃんと見ているかな子のような子の良さを見分けるほど賢くなかった、小学生の自分。なんかたくさん大切なものを取りこぼしてきたよなあ・・・。表題作のTwo Trainsはとてもよかった。今の子供たちは昔よりも早く大人になることを求められているような気がする。頑張ってね、小村さん、ひなた。2014/08/28
杏子
30
なかなかよかった。思春期の女の子の揺れ動く気持ちがよく伝わってくる。中でも表題作は、最後ちょっとほろっときた。明日に希望が見えるような内容だった。 みんな頑張ろうね!明日はきっといい日だよ、と声をかけたくなった。自分の子ども時代のことなども頭をよぎる。みんな最初はこうだったんだよね。大人から見たら、何でもないような小さなことに悩んでくよくよして。間違いもたくさんした。先生や友だちの顔が遠く浮かんできそうな気がした。そんな読書だった。2016/06/10
まさみ
22
朝読の時間用に適当に選んだ本だったけど思いの外、良かった。きっと、大人の今だから微笑ましかったり、気持ちが分かったりするんだろう。この本の女の子達くらいの時だったら、手にしなかったかも知れない。2018/10/05
tan
22
友達同士の間でゆれる女の子の心情を描いた短編集。小学校高学年女子向けの作品でとても面白いのですが、表紙絵とタイトルから中学年の男子向けかと思いました。本の大きさや材質も中学年向けに見え、内容はとてもいいのに読んで欲しい高学年女子が手に取らないような気がしてもったいないですね。子供はまず表紙絵から入っていくので、本を売りたいなら装丁は重要です。と、余計なことまで考えてしまいました。2016/11/11
びすけっと
20
2007年6月刊。遠征先図書館で教科書に登場する作品特集での出会い本。誰しも見かけや言動で人の心、素性までもそのようだと思い込んでしまうことがあります。でも真摯に接してみると得てして異なるもの。小学生の視点で描いた五編でそれを描いています。女の子ばかりだったけれど、男の子でもそう変わりはないかな。大人になっても忘れない、それぞれの成長が響いてくる作品です。2015/07/25