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内容説明
老いれば健康の維持がむずかしくなるのは当たり前。老いて健康を追い求めるのは、どんどん足が速くなる動物を追いかけるようなもの。予防医学にはキリがなく、医療には限界がある。健康を害してないのに、病気かどうか気を揉む人にこそ、本当は何を診断されているのかを知ってほしい。絶対的な安心はないけれど、過剰医療を避け、穏やかな最期を迎えるために準備すべきことを、現役医師が伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
45
久坂部さんのライフワークのいかに生きるか、いかに死ぬかに関連する著書。お金は使うためにあって貯めるのが目的になってはいけないように、健康もその体を使って自分のやりたいことに時間を使えばよいが、健康であることを求め健診や病院通いに時間を使いすぎることに対して警告する。読んだことがある内容が多いが、何度読んでも久坂部さんの話はためになる。2024/08/11
マリリン
36
文体が好みだし、内容もこういう視点もあるのか! と、思わず笑いがこみあげてくる。医療も健康管理もやり過ぎは悲惨、歳を重ねるほどに出てくる身体の不具合は当然だし、老化によるものなら誰にも止められない。病気は治るが老化は治らない...確かに。長生きしすぎるのも時に飽きるかも。健康診断は職場強制なので受けたがオプションの○○検診は受けない。先には必ず死がある...と思うと、できる時にやりたいことをやっておこうと思える。5章の「精神の健康という難問」7章の「健康を失って得るもの」は、なるほど...と。2024/07/27
うさうさ
21
大好きな作家さんの真面目な新書。 とは言え、小説の中にも著者の考えや思いが溢れているので、こちらの新書もストンと落ちた。前半は健康診断のぶっちゃけ話で、後半は健康の出口についての深いお話。 他の著書でも言ってることは一貫してるが、著者のお父さんの人生の終い方はいいなと思う。 この新書の主に後半は、医療者には同意を得そうだが一般人にはどうかなと感じた。 しかし、この先生は小説だけでなく新書も面白い。2024/05/30
きさらぎ
16
共感することが多い。60歳を過ぎた今だから堂々と言えるが、私も健康診断・がん検診・人間ドッグは受けたくないと思っている。勤務先の健康診断は強制的に受けさせられるが、費用はかからないし最低限の検査しかしないのに肉体的にも精神的にも非常に疲れる。その時期が近づくと苦痛です。もし仕事を辞めたら市民健診とか一切受けたくない。でも家族は違う考えっぽいので今は大きな声では言えない。副題にある「死ねない時代」という言葉、まさに現代はそう。その怖さを感じた。2025/08/23
団塊シニア
15
癌で死ぬなら診断はできるだけ遅い方がいい、知らない期間が長い方がゆったり過ごせるという医師の本音に共感、5年前に亡くなった母は亡くなる半年前に末期の直腸がんと診断された,痔の痛みと本人は思って過ごしてたが、診断が遅くてよかったと今では思ってる。2025/02/18
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