内容説明
「リコール」「大変、申し訳ありませんでした」の保坂祐希が贈る、食の不正を暴く、社会派エンタメ企業小説! 絶滅危惧種でありながら日々食卓にあがり続ける、身近な「ウナギ」。いまだ生態に多くの謎が残る高級食材の流通をめぐり、巨大スーパー・ヴィアンモールと裏社会の人々、そして元総会屋が暗躍する。しかし、その裏には国が躍起になって隠蔽する戦慄の真実が隠されていた――。ひろゆき氏推薦!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ~や★
17
ひろゆき氏おすすめとのことで読んでみました。 鰻大嫌いで食べないので、鰻の流通量にしても価格にしても、考えたことありませんでした。 ましてや養鰻業についてなんて… 消費者にとって食の安全は最も大切なことです。 研究も大切だけど、必ずといっていいほどそこにビジネスがからんでくる。 私たちの知らない闇が存在するのでしょうね。2024/07/01
Nao Funasoko
11
闇社会と水産業の関わりについてはいくつかのノンフィクションもあったかと記憶する。 本作は、そこに食の安全や汚染水処理の問題といった社会的に大きなテーマを重ねた意欲作。しかしながら、登場する人物の背景や性格の描かれ方がどこなく薄っぺらいせいか物語自体も軽くなってしまったように感じられるのは私だけだろうか。 物語の本筋そのものは絶対に「無い」とは言い切れない「現実」かもしれないと思えてしまう世界であるが故に作品の仕上がりにやや残念さを感じた。 鰻好きは読んだ方がいい!? いや、読まないほうがいいかもしれない。2024/08/01
ワンモアニードユー
5
自分たちが美味しくいただいている鰻、そこに何の秘密があるのか。スーパーを全国展開する企業のバイヤーとして勤める新入社員が、ひょんなことからあるいは背負った過去から必然的に、友人と2人で秘密を探ることになる。そこに絡む漁協、養鰻業者、反社勢力そして血も涙もない総会屋。荒唐無稽ながらかなりありそうに思える話にゾッとする。小説としての粗もあるが、まず満足な一冊。2024/07/04
海坊主
4
30年以上前の議員秘書と総会屋が国産鰻の偽装を企てた経緯を、二人の若者が乾坤一擲の思いで追い、暴くというエンタメ小説。 国産鰻の稚魚漁獲量は公式には3.6t、これでは到底国内で消費される国産鰻をカバー出来ない。この名状しがたい事実を開示。 因みにネットでは2021年の国内の鰻消費量は62千t。その内、42千tが国産鰻とされている。 しかし、仮に稚魚が5g、成魚が1㎏だったとして3.6t×200倍=720t。41千tも不足している。 密輸等でこの不足分を補填しているのか。水産行政に一石を投じる内容なり。2024/04/11
のじ
3
まあここまでのことは実際にはあるまい、と思うけれども、政治ぐるみでなんだか悪いことやずるいことしてても不思議はない、って納得できてしまうのであればそれは好ましいことでないなあ。鰻は好きだけれど、絶滅の危機に瀕していると聞いてからは食べるのをかなり我慢しています。夏になると安くてちょぴっとだけ出てくるあの鰻はしかし、どういう鰻なんだろうといつも思う。夏の鰻は一般に、脂が落ちておいしくないらしいので、その時期は特にたべないようにしています。2024/05/12