ハヤカワ・ミステリ<br> ポケミス読者よ信ずるなかれ

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ハヤカワ・ミステリ
ポケミス読者よ信ずるなかれ

  • ISBN:9784150020026

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内容説明

嵐により陸の孤島となった会員制クラブ。そこに居合わせた私立探偵。密室殺人。古今東西のミステリからの引用……。すべては本格ミステリの舞台として完璧かと思われた。しかし――。読者を待ち受けるものは困惑か狂喜か。これはミステリなのか、それとも……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オーウェン

62
原題とまるで違うタイトルだが、これには意味がある。 狩猟クラブの集まる別荘に招待された私立探偵のマカニス。 会員たちが揉める中で死体が浮かぶ。 そして外では嵐になり、クローズドサークルが出来る。 典型的なシチュエーションだが、作者の思惑は別のところに。 冒頭から途中途中に作者の蘊蓄や解説がやたらと入る。 これは何を意味しているのか。 事件の終わりは勿論探偵がとなるはずだが… 一歩間違えればバカミスみたいな中身だが、新しいことをやろうとしたのは分かる。 ただし成功しているかは別の話だが。2024/06/21

小太郎

41
題名に惹かれていた本だけど、読み始めて一体これは何じゃ~というのが最初の感想。話は嵐で閉じ込められた会員制狩猟クラブの中で起きる殺人、そこに招待されていた探偵マカニスの推理は?というありがちな設定。でもいきなり飛び込んでくる作者のミステリ講義や蘊蓄紹介、多重的なメタ構造で何が何かよく分からない展開、黒塗りの人物表、読み手に突き付けられる問題集など、こちらの予想とは全く違う本でした。ミステリが余程好きじゃなければ途中で読むのは諦めるかもしれないけど。自分的には始めは?だったけどとても楽しめました。★42024/10/09

練りようかん

17
狩猟クラブの集まりに探偵が加わり、ちょっとしたトラブルから過去の因縁、死体発見へと続くのだが地の文が個性的、ミステリーの暗黙のルールは通用しないタイプの作品なのかなと予測した。名作や作家の生涯、アンケートやテスト問題がのっていて小説というよりサテライト講義を聴いてる印象。嵐にクローズドサークルと舞台は整ってくのだが遂に探偵までも。ここまでくると読者が探偵、作家が計画的な殺人者に思えてきて、フーダニットのフーが物語の犯人から誰が書いてるかに意識が移っていった異色作だった。2024/07/28

Small World

16
こんなタイトル付けていいの?! ハヤカワさん!って感じで、このタイトル自体、攻めてると思うか悪ノリととらえるかで読者を選ぶんじゃないかと...! 物語に伴走する著者の視点での解説が楽しのですが、数々のネタバレもも含まれてるので個人的には「罪な本」だと思いました!2024/06/07

ふう

12
なんとも大胆なタイトルをつけたもんだ。当たり前だが原題にポケミスのポの字も、そういう意図もまったくない(「KILL」を”殺人”と”小川”とのWミーニングにしてるだけ?)。陸の孤島と化した会員制クラブでの連続死を捜査する私立探偵…オーソドックスなミステリと思いきや、高尚な”なんでもありの闇鍋感”が炸裂。作者が”私”の隣で解説してくれる傍ら、エッセイにアンケートに戯曲、そしてオチももう…。白井と違った意味で完全に読む人を選ぶ。「ポケミス70年の歴史上、最大の問題作」は伊達じゃないw2024/07/22

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