内容説明
強盗殺人事件の容疑者として逮捕された忘却探偵・掟上今日子。
現場で血まみれの凶器を握りしめて眠っていたところを発見された彼女は、事件の記憶を忘れていた。
檻の中から事件の調査をしたいと申し出た今日子さんに対峙するのは、
「冤罪製造器」の異名をもつ強面の警察官・日怠井。
警察官の矜持と葛藤しながら彼が選択したのは、「忘却探偵の専門家」隠館厄介に協力を仰ぐことで…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
42
強盗殺人の犯人として逮捕されてしまった今日子さんのお話。個人的にはシリーズの中でも、特に好きな作品でした。状況証拠的には圧倒的に今日子さんが怪しいというところから、少しずつ明らかになっていく事情の数々。このシリーズらしいあまりに奇抜な真相があったり、意外な見落としがあったりと、ひとつひとつ明らかになる真実の数々が、とてもおもしろかったです。細かな事象の絡み合ったうえでの密室事件で、クライマックスの謎解きも一気に楽しんでしまいました。すべてが終わるとタイトルの意味も明らかになり、非常に満足度の高い1冊でした2024/05/13
hnzwd
19
寝ると記憶がリセットされる忘却探偵シリーズ。殺人事件が起きた密室内で容疑者として逮捕された、、安楽椅子探偵物。自分自身がメッセージを残して寝る、という選択を取ったのはなぜか、という、、面白い。シリーズ通して少しずつ関係性が変わってる気がするのに、リセットされ続けるのはなあ。2025/01/31
マッちゃま
15
人気シリーズ第9弾。まあ〜だいたい刊行順に読んだらいいんじゃね?な感じ(笑)本シリーズも最近は何かしらの情報が明かされていないまま進行しツッコミたいけれど謎解きの鍵はソレじゃない…みたいな気がします。全ての状況、情報が開示されなきゃ推理やか出来ないのならば、本書は読み手が推理するべきミステリではないのでしょう。でも読み終えてみれば不思議な謎が出てきて気付けば解体されているといったミステリが起きてます。今回は今日子さんが逮捕されてて留置所からのスタート。お金絡み?冤罪?取り調べ側も困惑だし楽しく読了でした♪2024/05/30
ツバサ
15
今日子さんが逮捕されている状況から始まり、一体何があったのが、少しずつ整理していく展開。非常に面白かった。今日子さんの機転の良さには驚かされるし、物語の構造が興味深かった。2024/04/15
flower0824_
14
シリーズ9作目。今日子さんはある容疑で逮捕され取調室から出られない。ということで今回は最速の安楽椅子探偵となり、代わりに相棒の厄介が謎解きに奔走する巻。今まで出てきたジャーナリストの囲井さん、警護主任の親切さんも登場。そういえばボディガードの守くんって親切さんのことか。「推薦文」以降はほとんど出てこなかったけれど、何気に厄介とともに信頼されている人だったわ。さて、今日子さんは履歴書をどうするのかな。文庫は追いついてしまったのでここで一旦お休み。2025/01/26