内容説明
その男、悪人か。
主人を殺し、将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。
悪名高き戦国武将・松永久秀の真実の顔とは。
直木賞作家による、圧巻の歴史巨編。
〈第11回山田風太郎賞受賞作〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
141
オーディオブック+文庫本。主家殺し・将軍殺し・東大寺大仏殿焼き討ちという“三悪”をなした大悪人「松永弾正久秀」の“実像”を、特に謎多き生い立ちにスポットを当てて描く大作!織田信長が小姓頭の狩野又九郎に語り聞かせるという体裁なのもユニークですし、久秀はもちろん彼が出逢う人々が本当に魅力的ですね!(←逆に敵対する人々は本当に醜い…) そして、もしや?と思ったらやはり…という終盤の展開に涙…。久秀が辿り着く「人はなぜ生きるのか?」という問いの答えは? 歴史通も歴史に疎い方も、久秀のファンになること間違いなし!!2024/05/30
やな
69
俺は何のために生まれてきたのか…熱い物語でした(^-^)2024/05/01
yamatoshiuruhashi
62
戦国時代の大悪人・松永久秀を主人公の話と知り、爽快さに欠けるような気がして正直手を出すのが気が重たかった。今村翔吾だから読まねばならぬと手にしたら、まずは織田信長へ松永の(最後の)謀反の知らせから始まり、どこの誰とも説明のないガキどもの話へと跳ぶ。ではその首領たる多聞丸が松永かと思っていたら又異なった展開へ。人が人たるものは何か、人の世のためにどうあるべきかと考え、しかも波風立てぬように配慮して生きていくとこうなるのか。天下の大悪人は実は見方を変えて想像を張り巡らせれば、このような人物にもなるのか。2024/06/02
もん
59
歴史小説は難しい漢字や読み方が多いイメージで苦手意識があったけど、想像以上に面白くて適当に読んだらもったいないと思い、いちいち調べながら読んでました。すごく時間がかかったけど、逆に長く読む事が出来てよかったと思える良い話でした。2024/10/25
ぼっちゃん
59
【第11回山田風太郎賞受賞作】松永久秀につては良く謀反を起こす人だなというくらいのイメージしかなかったが、主家乗っ取り、将軍暗殺、東大寺大仏焼き払いなどの極悪行動の真実はどうだったか、またどうしてその行動を起こさなければいけなかったかが描かれていて、エンタメとしては非常に面白かった。個人的には直木賞を受賞した『塞王の盾』よりこの作品の方が好きだな。2024/08/25