内容説明
中学生作家の圧巻デビュー作、待望の文庫化!
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが。
友人とお父さんのほろ苦い交流を描く「いつかどこかで」、
お母さんの再婚劇に奔走する花実の姿が切ない「花も実もある」、
小学4年生時の初受賞作を大幅改稿した「Dランドは遠い」、
田中母娘らしい七五三の思い出を綴った「銀杏拾い」、
中学受験と、そこにまつわる現代の毒親を子供の目線でみずみずしく描ききった「さよなら、田中さん」。
全5編収録。
巻末には、カバーイラストも担当している西原理恵子氏による文庫特別解説マンガを収録。また、20歳となった著者が自身のデビュー以降を振り返るエッセイも収録。この2編も見逃せません!
※この作品は単行本版『さよなら、田中さん』として配信されていた作品の文庫本版です。
(底本 2024年4月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
59
文庫で再読。なかなか文庫にならないなあと思っていましたが単行本から7年目で待望の文庫化。これらの作品の2編は小学生の時に書かれ、残りも14歳までに書かれたとは本当に驚きで、『さよなら、田中さん』には再読でも泣かされました。2024/05/06
Karl Heintz Schneider
28
小学生の花ちゃんと母親の貧乏ながらも楽しい生活の様子が描かれている。貧乏でも子供の話はきちんと聞いてあげて、子どもが要求することには何とか応えようとする母親。それがわかっているから逆に欲しいものが言えない花ちゃん。母親を気遣う、その気持ちがいじらしい。中盤で突然語り手が「僕」になる、「僕」誰?それは花ちゃんの同級生の男の子で彼の視点で花ちゃんの人物像が語られる。続きは明日でいいかと思っていたのに帰宅後も読み続け、結局一日で読了。グイグイ読ませるチカラのある文章。14歳だからとかいう枕詞は、もはやいらない。2024/05/10
とんかつラバー
15
お母さんの騒動にクスッとする話もあるが花実ちゃんがお金のや再婚のために気を使っている姿に、子供はそんなこと考えなくてもいい世の中にしてあげられなくてごめん、と大人は思ってしまう。受験の子の話は母親が酷過ぎて胸が痛くなる。それを泣ける話とか貧乏だけど幸せとか、ふわっとした話に持っていかない所に作者の非凡さを感じる。ニートのけんとが結構いいこと言ってる2026/03/29
*takahiro✩
9
途中まではまるでマンガのようだと思いながら読んでいましたが、最後のタイトルロールの話には思わず入り込んでしまいました。この本を中学2年生が書いたとは驚きですが、逆にそのくらいの年齢の人でなければ書けない本かも知れません。続編を望む声が多かったというのも納得です。三上くんのその後も大いに気になります。2024/06/13
須戸
7
本編は単行本版で読んで感想を書いたので流し読み。結構忘れていたけれど、脇役も個性豊かだったんだなと思った。この文庫版は、主に作者あとがきが目的で購入した(電子書籍)。公募ガイドのインタビューに答えていた頃は自信を持って堂々としている印象だったけれど、このあとがきでは謙虚になった気がする(当時と今とでどちらの方が良いとかはない)。このシリーズの『星に願いを』はまだ読んでいないので、機会があれば読みたい。2024/07/21




