極東のシマフクロウ ――世界一大きなフクロウを探して

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極東のシマフクロウ ――世界一大きなフクロウを探して

  • ISBN:9784480837264

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内容説明

アメリカ人の大学院生が、ロシアの辺境で、シマフクロウの捕獲に挑む。科学的探究×荒野の冒険×クセ強ロシア人。3つの要素が絶妙に交差する傑作ノンフィクション。全米図書賞(2020)ノミネート作品。ネイチャー・ブック・オブ・ザ・イヤー:『タイムズ』(ロンドン)ほか、受賞多数!

目次

日本語版への序文/プロローグ/序章/第1部 氷の洗礼/第1章 地獄という名の村/第2章 最初の調査/第3章 アグズの冬の暮らし/第4章 この土地が行使する静かな暴力/第5章 川を下る/第6章 チェプレフ/第7章 水が来た/第8章 最後の氷に乗って海沿いへ/第9章 サマルガ村/第10章 ウラジーミル・ゴルツェンコ号/第2部 シホテ・アリン山脈のシマフクロウ/第11章 古来の響き/第12章 シマフクロウの巣/第13章 標識がない場所/第14章 ごく普通に道路を走る/第15章 洪水/第3部 捕獲/第16章 わなを準備する/第17章 ニアミス/第18章 隠者/第19章 トゥンシャ川で足止めを食う/第20章 シマフクロウを手に入れた/第21章 無線封止/第22章 フクロウとハト/第23章 確証のない賭け/第24章 魚で生計を立てる/第25章 カトコフのチーム入り/第26章 セレブリャンカ地区での捕獲/第27章 わたしたちのような恐ろしい悪魔/第28章 カトコフ、追放される/第29章 停滞/第30章 魚を追って/第31章 東のカリフォルニア/第32章 テルネイ地区の景色を目に焼きつける/第33章 シマフクロウ保全/エピローグ/謝辞/訳者あとがき/原注/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

62
シベリア沿海地方(北海道の対岸)でのシマフクロウ調査の記録。2006年から5年かけて営巣地を探し、罠で捕獲し最初GPS次はデータロガーを付けて放しまた捕獲し、データを分析し行動域を確定し保護プランを立てる。言うは易く行うは難し。何週間も風呂に入らず、ロシア人の助手と崩れた小屋や車の中で暮らし、吹雪や雪解け増水の川で危険にさらされる。助手たちは罠漁師など怪しげ?な人々でその生態も面白い。シベリアの森の中でどうして迷わないでいられるか、私にはそこから疑問だが、シベリア旅行記、風物誌としてとても楽しく読んだ。2024/05/10

ヘラジカ

40
たった一つの種を保全するために、ここまでの労力と時間を注ぎ込む人間たちがいる。その事実だけでも心動かされる書ではあるが、何よりも過酷なフィールドワークが臨場感ある筆致で活写されており、読んでいて純粋に楽しい。絶滅危惧種のシマフクロウを巡る苦闘の記録でありながら、内なる冒険心に訴えかけてくるスリル満点の旅行記でもあるのだ。本を開いている間は完全に寒風吹きすさぶロシアにいた。頻繁に引き合いに出されるくらい日本でもシマフクロウ研究、保護が積極的に行われているので、是非とも多くの日本人に読んでもらいたい一冊だ。2023/12/20

ポテンヒット

11
アメリカからはるばる厳寒の極東ロシアを訪れシマフクロウの生態を調査する。人気のない暗闇の森を歩き、氷の川を渡る。シマフクロウを求めて雪の中を何時間も歩き回る。フィールドワークは地道な作業の積み重ねだ。著者の落ち着いた筆致がその様子を鮮明に教えてくれる。シマフクロウが巣を作る巨木が減少している事、同じ地に生息するアムールトラに比べて人目を惹きにくい種の保存の難しさなど、変わりゆく環境の中でひっそりと生きる動物を守ろうとしている。2024/03/10

凸凹パレード

10
海千山千のロシア人達と共に冬のロシア沿岸で、冒険活劇的フィールドワークを10年にわたり繰り広げるミネソタ大学院生によるシマフクロウの記録。圧巻である。 果てしない体力と忍耐力を持ち、寒さや粗悪ウォッカに耐え、クセ強のロシア人のいいところを引き出し、何よりユーモアをもって地道に取り組む。「本書を読んだ日本のみなさんが沿岸地方をより身近に感じ、シマフクロウのような種はこの地球の宝であり、みなでその素晴らしさを称え、大切にし、守るべき存在なのだという思いに共感して下さることを願っている」2024/04/29

ろべると

8
米国の研究者によるロシア極東地域のシマフクロウ調査の記録。日本でも道東に僅かに残る世界最大のフクロウに発信器を取り付けて生態を調査するのだが、同行者はロシア人だし、滞在先にはウォッカを抱えた地元の男たちが訪れ、ロシアのローカル色に溢れる。著者は博士論文のテーマとして選んだらしいのだが、その行動力は買うにしても、シマフクロウに出会うまでの細かな記録が延々と続くのには参る。また当人はそれほどシマフクロウについて専門的知識を有しているようにも見えず、調査の結果も判然としない。そもそもなにゆえに本書を著したのか?2024/08/05

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