内容説明
第一章 生いたちの記
幼年学校に落第・上京
アルバイト・明大入学
イザリになって小説家志願
第二章 青春日記
焼打ち事件で監獄行き
政友会の院外団入り
アジ演説でまたも投獄
監獄数え歌
演説会荒らし
「伴ちゃん、えらくなったわネ」
世界一周旅行へ
禁酒国で大酒宴
皜介石氏夫妻のこと
第三章 陣笠時代
公認返上、クソ喰らえ!
翼賛選挙で落選
原敬首相と私
第四章 恩讐の政界
鳩山先生との出会い
ほととぎす、九天高く
吉田首相と私
広川和尚の謀略
吉田さんと喧嘩
吉田退陣劇の内幕
ワンマンの横顔
大臣づくり秘話
池田蔵相の誕生
昭電事件の真相
総裁公選敗戦の記
第五章 戦後傑物伝
政敵三木武吉と握手して
新聞記者と鬼ごっこ
三木さんの思い出
緒方竹虎の風格
西尾末広君との勝負
第六章 忘れ得ぬ人々
快男児・小林徳一郎
「御三家」の思い出
女傑・松本フミ
第七章 私の素顔
待合政治論
仏像物語
虎と私
母のおもかげ
頼みごと
新聞にもの申す
議会政治論
私の句碑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
11
弁護士志望も政友会の院外団に入ったことから政界へと進出し、戦後は党人派政治家の代表格として官僚派政治家と対決。1955年の保守合同、日韓国交正常化に尽力した「義理と人情」に生きた大野伴睦の回想録。元秘書の山下勇と新聞記者らによって編集されたものだが、その内容は飾ることもなく、生い立ちに戦前の獄中生活から昭和電工事件での検事とのやりとりをまで語るのだから面白い。さらりと佐藤栄作と馬が合わなかった理由も述べているのも興味深い。三木武吉のような仇敵とも分かり合えた伴ちゃんもあの岸・佐藤兄弟とはダメだったようだ。2021/04/12
バルジ
3
戦前来の党人政治家として保守合同に尽力し戦後政治にその名を残した大野伴睦の回想録。時系列ではなく時を行きつ戻りつしながら強烈な半生を縦横無尽に語る。生い立ちから政友会の院外団時代、政治家となってからの来歴等語り尽くす形となっているが、民主的に選ばれた政治家として強い自負が節々に感じられる。特に終章は官僚政治家の天下となった刊行当時政情に対する「党人派」に絶叫に近い。大蔵省の予算査定を厳しく批判し政治主導を訴える点、「血と涙」が通った政治を力説する点等は来歴に起因する矜持を感じる。2021/06/13
Shinya Fukuda
1
大野伴睦党人派と呼ばれる政治家である。それに対するのは官僚派政治家になる。余り評価は高くないようだ。しかしそれで良いのか?政治は理屈だけでするものではない。血が通っていなければダメだという大野の考えは至極真っ当に思える。利益誘導型とか言われるが戦後復興から高度成長の時代は必要なことだった。時代が違うのだからそのことをもって批判するのは失当だろう。原敬、鳩山一郎に可愛がられ戦後は吉田茂とも協働する。保守合同を成し遂げた功労者だ。池田勇人は評価しているが岸・佐藤兄弟とは相入れなかった。佐藤のセコさが可笑しい。2023/04/01
LM
1
【通読】党人派政治家の回顧録だが、ドタバタ劇かというくらいにユーモラスだった。広川弘禅や佐藤栄作に対しては直截苦言を呈していたのに対し、岸信介からの首相密約と裏切りについては意外にも淡々と事実が記述されていた。相当恨んでいたんだろうと思う。総裁にこそなれなかったが、調整役を人間力で熟していくのは党人派然としている。とはいえ「私が最後まで力を尽くさねばならぬ点は、日本の政治から官僚勢力を追い出すことだ」(253頁)とまで言い切っていたのには流石に驚いた。2021/06/07
晴天
0
政治家の自伝としてはめずらしく、特段、功を書き残すわけでも、白熱する舞台裏を伝えるわけでもなく、とにかく破天荒な振る舞いとそれでもその時その場所の有力者に気に入られる不思議な人柄だけが伝わってくる。ほとんど何の関係のない人から資金援助を引き出すぐらいは朝飯前で、刑務所に入れば典獄から禁じられている煙草をこっそり吸わせる(正確には火のついたタバコを置いて便所に立つ)などされるほど。何をやった人なのか読んでもさっぱりわからないが、ひとつひとつにエピソードに度肝を抜かれる。2022/04/18




