内容説明
国家の行動を地理環境と結びつけて考える「地政学」が復活している。米国主導の秩序と日米同盟に守られていた日本だが、中国の軍拡による脅威は深刻だ。さらに経済力で地政学的利益の実現を目指す中国の手法は「地経学」時代の到来を示す。北朝鮮の核やロシアの動向のほか、エネルギー、サイバー戦争、気候変動など地球規模のリスクの影響も大きい。トランプ米政権のもと、日本がとるべき戦略を俊英13人が描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
55
興味深かったが、個人が対応できることは少ない。2019/01/02
かごむし
26
超大国となりつつある中国の台頭によって、第二次世界大戦以降アメリカが主導してきた世界秩序が変わろうとしている。激動する世界の中、日本が直面している13のリスクという切り口で各専門家が執筆をしているのだが、1年前に書かれた本ということを感じさせないほど、世界の動きをダイナミックにとらえている。本書でリスクとしてとらえられていることの顕在可能性はいかほどか、予測は難しく、書き手の主観もあるのだろうが、これほど世界というものを、日本とつながる形で意識したことはなかった。目が覚めた、というのが本書の読後感である。2018/11/22
リョウ
8
発行されたのはトランプ政権が発足した直後なので4年ほどが経過しているが、たったこれだけの期間で多くの出来事が起こり、この本で危惧されていたことの一部は現実となり、一部は杞憂となり、さらに予想もしていないことが起こった。日本以外ではこれまでの地政学に加えて地経学も論点として挙げられてきているが、日本の場合は教育の不備もあってこういった観点からの考察がどうしても不十分になりがちである。2022/06/08
inami
8
◉読書 ★3.5 「地政学」が復活しているという、もともと、国家が行う政治的行動を、地理的環境、条件と結びつけて考える学問のことらしいが・・、北朝鮮の核危機への対応、国際社会が示す越えてはならない一線、”レッドライン”は、各種制裁が期待した効果を上げないまま、このままではいつか”レッド・カーペット”に。中国の”一帯一路”戦略は、地域秩序をめぐる静かな地殻変動をもたらし、トランプ政権は地政学的不確実性の源泉になるかも・・世界システムの前提が変わる時代が到来しようとしている・・さてさて、どう立ち振る舞おうか・2018/01/14
かんがく
7
トランプ政権の誕生、中国の一帯一路、北朝鮮の脅威、TPPなどの現代の国際問題を地政学、地経学の視点から描く。国際時事の良いおさらいになったが、内容は新聞に毛が生えた程度だったのでもっと深く勉強したいと思った。2017/10/19