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内容説明
切々たる恋の記憶、いつも笑っていた若い日々。父が風呂場で歌ったヒットソング、母が台所で口ずさんだメロディ。たとえ時代は変わっても、歌は生き続ける。人間の限りある命と「別れ」は不可分であり、だからこそ私たちは惜別の念と共に、豊かな情緒、文化を育むことができた。歌謡曲を愛する数学者が、日本の詩歌に込められた万感の思い、失われたものが喚起する力を読み解く。 【本書に登場する主な童謡・歌謡曲・詩】ぞうさん/たきび/ふじの山/浅草の唄/花/空の神兵/わたしが一番きれいだったとき/花の街/異国の丘/柿の木坂の家/急げ幌馬車/別れの一本杉/赤いハンカチ/白い想い出/22才の別れ/なごり雪/赤い靴のタンゴ/ふれあい/秋桜/喫茶店の片隅で/学生街の喫茶店/さくら/ダンスパーティーの夜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
57
日本を代表する数学者の一人で、作家新田次郎の息子でもある著者は、自身も文筆家として多くの著作がある。本書は、副題に「歌謡曲から情緒が見える」とあるように、幼少の頃から聞き馴染んだたくさんの歌の中に、著者の感性を揺さぶった曲の歌詞とエピソードを記したものである。本書を一読しての感想は、著者の類い希な記憶力と、多くの曲に歌われた情感を感じ取る感性の鋭さ、深さ、その表現力に唯々感嘆する思いである。信州諏訪を故郷と表現する著者は、旧満州に生まれ、終戦の混乱の中を非常な苦労をして引き上げてくる。そしてしばらくは諏訪2024/04/24
yama1000
4
よく知ってる歌も、知らない歌もあるけれど、藤原先生の知性とユーモアにかかった文を読めば、どれも素晴らしい歌謡曲になってしまう。2024/04/05