内容説明
これは「女人の哀しみ」を描いた物語――。作者の視点から名作を読み解く! 傑作長編小説〈全五巻〉 皇子二人を生んだ彰子に仕える、香子(紫式部)。彼女の書く「源氏の物語」は一条天皇も愛読するほど、宮中で影響力を持つようになる。香子は、ともに宮仕えする女房たちの境遇や悩みに触れ、様々な「女人の哀しみ」を物語に織り込んでいく。一方、道長は彰子の子である敦成親王を東宮とすべく、暗躍し――。香子の人生の変動とともに、『源氏物語』「下若菜」~「総角」の帖を執筆する様を描く、圧巻の大河小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
164
第四巻、ラス前です。シリーズ最多頁巻(555頁)でした。 「源氏物語」が、「竹取物語」の要素を取り込んでいるとは思いませんでした。 続いて最終巻五巻へ。トータルの感想は、全五巻読了後に。 https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85454-02024/05/06
みっちゃん
119
不義の子、薫誕生。柏木、紫の上、そして源氏の君も帰らぬ人となり物語の主人公は薫と匂宮、宇治十帖へ。光源氏の死の場面を描いていると思われるがタイトルだけが残り、本文は存在しない『雲隠』その内容を女房の口を借りて、作者が推理する場面はなかなか興味深かった。香子のパートではますます道長の専横はあからさまになり、心痛の一条天皇は31歳の若さで崩御。現在の大河では公明正大、謹厳実直ナイスガイそのもの、の道長だが後半はどのように描かれるのだろうか。2024/06/11
佐藤(Sato19601027)
70
大河ドラマ『光る君へ』を観て、彰子中宮の背景が良く分かる。「源氏物語」もNHKラジオの古典講読で理解が進む。香子(紫式部)の物語は敦成親王の百日の祝宴の辺りから。香子は、彰子中宮から帝が「源氏物語は、女の物語だ」という感想を聞き、筆に力が入る。第四巻で描かれる帖は「若菜下」~「総角」、悲劇が続く部分だ。柏木が病没し、紫の上も逝去する件は、分かっていても落涙する。紫の上を追悼する源氏も雲隠れして、物語の主人公が薫中納言と匂宮に移る。香子の周りでも一条天皇崩御に続き、弟の惟規も亡くなる。悲しみが連鎖する。2025/02/03
shikashika555
34
なかなかの大部で、紫式部の話と源氏物語が並行して語られるため 少し読むのに倦んでしまい飛ばし読みしがち。 が、途中でびっくりして目が覚めた! 作中、紫式部の同僚 宰相の君が「幻」の帖の後の源氏の君はどうなったのかというスピンオフを語り始めるのだが、 その内容がマルグリット・ユルスナール『東方奇譚』収録「源氏の君の最後の恋」である! ひゃー!びっくり!! 2024/06/14
くろにゃんこ
29
やっぱり光源氏って自分勝手だよな…と改めて。彼が亡くなるところは書かれていないが宰相の君が考えた物語を読んだら書かないことが正解だと思った(笑)話は次の世代へと移るが宇治十帖のところはあまり興味がないので流し読み。香子の物語は続きが気になります。2024/06/30
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