内容説明
中国の第一正史とされる、司馬遷『史記』。中国古典ファンなら誰もが一度は原文で読んでみたいこの重要書を、漢文の解説を辿りながら原文で読める一冊。『史記』のなかでも短くまとまり、かつ内容のおもしろい「游侠列伝」の全文を15日間で読もう。詳しい語釈や文法の解説を辿りながら一文一文丁寧に読み進めることで、漢文の読解力が高まります。西田太一郎『漢文の語法』読者必見!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
zunzun
7
受験参考書などで英文解釈の勉強などをしたことがある人も多いだろうが、それ以来、久しぶりにこういった本で漢文を読んだ。この一字一字の意味や句法、語法を確認しながら読むという作業は懐かしいし、本当に文字を読むとはこのような作業なのではないかと思わされた。今でも英語であれば北村 一真『英文解体新書』に代表されるように古典的な作家の難読な文を読解する本が多くだされているが、漢文、しかも白文ともなると類書は白水社刊行の『白文攻略 漢文法ひとり学び』(2013)ぐらいしか思い浮かばない。そのぐらい稀有な本なのだ。2024/05/15
さとうしん
6
別途出版された漢文の語法解説書をベースにまとまった篇を講読するという変わった漢文入門。しかも『史記』游侠列伝というのは刺客列伝などと比べて一般にあまり読まれていない篇ではないかと思う。ただ講読といっても語法解説、あるいは漢文を読むこと自体が目的なので、時代背景などの解説は抑えめ(それでも所々関係の論文を引いたりはしているが)。2024/04/07
ユーユーテイン
5
15日間で史記を読む、という帯の言葉に惹かれて実行。字義を押さえて前後を注意深く読み進めていくと、漢字の羅列から文脈が立ち上がってくる。まるでゴツゴツした石が散らばっている原野が、実は意図をもって配置された石庭だと気づくかのような体験だった。論理で読めていけるけれど、古代中国の文化についての知識がある方が、当時の人々の感覚を深く知ることができる。著者は「游俠列伝」が、司馬遷が郭解というアウトローの人物と出会ったことによる感懐によって書かれたパートだという。そう思うと郭解や司馬遷が身近に感じられた。2024/04/24
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