内容説明
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないか――?
20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑む――。
主人公の太田亮介は、就職活動に熱が入っていない京都大学三回生。日本を牛耳る巨大企業「Z社」に入社するため、ようやく重い腰を上げて就活に臨むが……。
銃撃をかわしながら出身大学OBを探す「OB訪問」やSNSでの10万人フォロワー獲得をめざす「インターンシップ」、歴戦の就活猛者たちと激論をかわす「グループディスカッション」、そして多くの就活生が命を落とす「面接試験」。生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を克明に描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる、“就活エンターテインメント”登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
49
本なので読んだら読み終えてしまうのです。それが残念でならぬ。本だから最後は一応まとめなきゃいかんのですよ、それも残念。ずっと終わらないで欲しかった。就活それはデスゲーム。逃走中的なOB訪問(ハンターみたいなのが銃を撃ってくる)。「この首輪をまずつけて」(これって爆発するやつでしょ?)なインターンシップ。グループディスカッションに面接。あなたはZ社に晴れて就職できるのか?こういう本を求めてる人はあまり多くないでしょうが、私は大好物です。どんどんもってこい!バカみたいに人が死んだなー。2024/09/06
はっせー
46
めっちゃ面白い!就活×デスゲーム。ありそうでなかった分野かも。就職活動をするなかで就活生がやられていく。まじかよっておもいながらも内定のためにがんばる。現代の就活に対するアイロニーを感じる場面も数多くあった。最終面接では落ちた方は死んでもらうよと言われる。そんな中で面接できるか!?ってツッコミを入れながら読んでいた。面白いし読ませる力がある小説であった!!2024/09/13
rosetta
29
★★✮☆☆この表紙ではマジメな話かどうか分からないとも思ったがやっぱり毎度バカバカしい太田出版だった(笑)。日本を支配する巨大企業の就活では、段階が進む毎に脱落者が死んでいく。まるでカイジのよう。嫌いじゃないよ。ただ話が徹底的にバカバカしいのは構わないんだけど随所に差し挟まれる理屈が鬱陶しい。2024/07/02
練りようかん
14
現政権の異次元の少子化対策が大成功したらというお話で、近未来の日本は今よりずっと分かりやすく厳しい。進路も就職も親に言われるままの目標設定で生きてきた京大生の主人公は、野心がなくラクしたい普通の男子なためデスゲームにおかしくない?と1人まともな精神を保ち、しかし勝ち進んでしまう王道の展開。キガバンクが合併してテラバンク、電子から紙に逆行して喫煙率上昇など肉付け部分が愉しいし、ふざけてるのかと思うと物凄く良いこと書いてて、採用試験に命かけさせる理由もちゃんと納得させる愛すべき佐川ワールドだった。次作も期待。2024/08/02
alleine05
11
この作者の作品は『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』『シン・サークルクラッシャー麻紀』に続いて三冊目だけど、今回は明確なストーリー性があってわかりやすく楽しめた。ただ、終盤の展開がひねりが無くて弱い印象なのはあいかわらずな感じ。「起承転結」の「転」が無くて「起承承結」といった印象というか。変なひねりを入れて迷走した印象の終わり方をするよりかはいいけど、やはりもうちょっと終盤の展開にはサプライズや盛り上がりがほしいかなと。2024/06/07