内容説明
凍てつくような寒夜、全身麻痺を訴える患者が救急病院に運び込まれ、当直医は精神的ストレスと断定したが、翌日、なぜか患者はある決意を告げて退院してしまった。数カ月後、横浜埠頭に荷揚げされた燻蒸中のバナナの山から死体が発見された。警察は傷害の前科をもつ由利桂介に疑いをかけたが、彼は自らの再生を賭けて荷役会社社長の娘との四国周遊の婚前旅行から帰ったばかりだった。そして意外にも……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
7
電子書籍を購入。以前に読んだ「九州周遊〜」と同じシリーズで、こちらが第1弾w由利がなぜ前科モノとなったのか、桐子との出会いとか、知りたかったことがこの本でスッキリ!今回は、輸入バナナの利権を巡ったゴタゴタが事件のベースになってるんやけど、実は輸入バナナと四国は全然関係なかったり!?横浜の事件に関して、またまた由利に容疑がかかるものの、彼はその頃、四国周遊旅行を楽しんでたわけで…。アリバイの証明&事件解決のために、再び由利は四国を巡るんよね。2時間ドラマ系のニオイを出しつつも、着地点は意外なところに…。2014/03/03
yutusbochan(yasuhiko.utsubo)
2
昭和40年代に書かれた推理小説。登場人物の行いや気性の荒っぽさと、素人が探偵気取りでアリバイ探しを行ったり警察官と慣れた具合で行動する所やら犯人が判明する様にこの時代を感じますが、娯楽としてのミステリーとしては、昭和の時代のこういった作品もありだと思います。2015/08/14