ビッグコミックススペシャル 宗像教授セレクション 源氏物語と平安文学

著者名：星野之宣【著】

小学館（2024/04発売）

• ISBN：9784098628285

内容説明

伝奇ミステリーの金字塔から待望の傑作選！

宗像教授が「源氏物語」、「竹取物語」、「浦島伝説」の秘密に迫る！！

誰もが知っている「竹取物語」と「浦島伝説」。
このふたつの話には、奇妙な類似性がある。
その謎を解明すべく、京都の地を訪れた宗像だったが…？
（第1話　再会）

紫式部によって創作された長編小説「源氏物語」。

世界的にも評価をかちえ、
男女の情と死の交錯を見事に描くこの物語に、
宗像はかつて恋い焦がれた女性の面影を重ねていく…

宗像がたどり着いた、
「源氏物語」の根底に流れる男女の因縁とは…！？
(第2話　源氏物語昆虫)

宗像教授が両テーマの謎に挑んだ
傑作・「源氏物語昆虫記」と「再会」を1冊に収録。
「源氏物語」「竹取物語」「浦島伝説」の秘密に迫る傑作選。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[昼寝ねこ]

星野之宣さんの宗像教授シリーズは1990年代から30年以上に渡って描き継がれている。この本は特別編のセレクションシリーズの一冊で「竹取伝説」「浦島伝説」「源氏物語」の謎に迫る。もちろんフィクションなのだが「あったかもしれない歴史上のif」をリアルな筆致で壮大に描いているので、さながら歴史の迷宮に迷い込んでしまったかのような陶酔感がある。宗像教授シリーズは「伝奇考」「異考録」に続いて最新シリーズの「世界編」に突入しており教授の活躍はまだまだ止まらないようだ。

2025/09/26

[山口透析鉄]

試し読み版で冒頭80頁ほどだけ読みました。 星野之宣氏も古代史もの、描かれているのは聞いていましたが、実際に読むのはこれが初めてでした。 古代の世界観と日本列島にいた異民族等、想像力を刺激されます。竹取物語の大胆な解釈とかもさすがに良いです。諸星大二郎氏の作品なども連想します。

2024/05/13

[ムーミン２号]

民俗学に多少興味のあるワタシなどはこの「宗像教授シリーズ」は面白く読める。とはいえ、あまり多くは読んでいないのでこういう平安文学に関わるエピソードがあることは知らなかった。面白かった。竹取物語と浦島伝説に古代の隼人民族のまるでバビロン捕囚のようなお話も加わり、かつ現代の忌部を名乗る人たちとの関りまで描かれて、いかにも漫画である。「源氏物語」と上記2編との関わりも面白ければ、宗像教授と女性を巡る関係を「源氏物語」と絡めて描いていくのもいかにも漫画的。つまり、漫画としての面白さが味わえる作品集だということ。

2024/05/11

[わ！]

NHKの大河ドラマの影響で、こんなピックアップ本が出版されていました。宗像教授シリーズの中で、平安文学に関係する話だけを集めて一冊にしています。竹取物語と浦島伝説と、源氏物語の関係。なんだか星野之宣さんの描く説って、思わず信じてしまいそうなぐらい面白い学説なんですよね。ついつい他の人にも語ってしまいたくなる様な、楽しい学説ですよね（まったくのフィクションの場合もあるのかもしれませんが）。一応宗像教授シリーズは全巻持っているつもりなのですが、おそらくこんなピックアップ本が出たら、また買ってしまいそうです。

2024/05/26

[maekoo]

諸星大二郎と並び称されるハードSFや古代伝記・民俗学的アプローチの面白い漫画が多い星野之宣画伯の描く源氏物語と浦島伝説・竹取物語の連関と現代の人間ドラマを融合させた名作傑作選！ 民俗学で様々な仮説が出ている浦島伝説と竹取物語をその時代の宇宙観を基礎に、連なる一つの物語と観る視点！ いわゆる紫の上系に秘められた人間ドラマと、浦島連関物語の哀しい人間ドラマの類似！ 面白い視点で有り、それを宗像教授の若き日の想い人と関連付ける物語構築と色付けが絶妙で面白い！ 民俗学好き平安文学好きの人は楽しめる一連の物語です！

2024/05/05