内容説明
修験者のなりをして国々を放浪する謎の「十三童子」。
役者と見まがうこの色男は、錫杖を鳴らし銀のキセルをふかしながら、欲にまみれた人間たちをこう誘う。
ーー来世で地獄に堕ちてもよいなら、ひとつだけ願ってこの鐘を撞け。
ただし、撞いた者は来世に底なしの無間地獄に堕ち、子も今生で地獄に堕ちる。
撞くか撞かぬは、本人次第。さあ、あなたならどうする?
人の欲をためす不思議の鐘、鳴らすか、やめるか? 今が人生の分かれ道。
ストーリーテリングの凄さ際立つ新星が放つ傑作時代小説!
心の奥底に響く物語。深い、深すぎる。ー細谷正充(文芸評論家)
読むと、心のひだをじゃらんと撫でる音が聞こえる。ー三宅あみ(ジャパネスク・ナビゲーター/江戸文化研究家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
77
遠州七不思議の中に「無間の鐘」と言うのがあるらしい。小さな鐘、銀の煙管、錫杖を持ち歩く一人の修行僧。見目麗しきこの僧、十三童子と名乗り難破船が漂着した岬の小屋に現れ水主たちに欲にまつわる物語を聞かせる。この鐘を鳴らせば、今持ってる欲望が叶えられその代わり死んだ後には無間地獄に堕ちる。そして、その子供は生きている限り過酷な生活を送る。それでも人は鐘を目の前にした時、自分の欲望を優先してしまう。金貸しになりたい男、錺職人への夢、死んだ母親に会いたい子供、その顛末は…。欲望は罪なのか、設定の面白い作品。2024/10/23
チーママ
60
鐘を撞けばどんな願いもかなうという『無間の鐘』。ただし鐘をついた者の来世は無間地獄へ堕ち、その血をひいた子も地獄へ堕ちるという。大きな代償を知りながらも己の願いや欲のために鐘を撞いてしまう人々。旅の修験者は岬の小屋に居合わせた船乗りたちにその話を語り始める。可愛い願いから切羽詰まった欲望まで人間の欲は限りない。鐘を撞いた人々に待つ未来が気になり夢中になって読んだ。登場人物が他の話にも登場するのだが、こういう形で登場させるのかと唸った。最終章にゾッとさせられる構成もお見事。次作の「春のとなり」が楽しみだ。2024/04/30
ポチ
41
なんだろう⁈つまらなくは無いのだが面白さが分からない…ごめんなさい。2024/04/16
ひさか
37
小説現代2023年6月号親孝行の鐘、10月号嘘の鐘、書き下ろし黄泉比良坂の鐘、慈悲の鐘、真実の鐘、無間の鐘、の6つの連作短編を2024年3月講談社刊。今世では子が、来世では本人が地獄に落ちるという願いが叶う鐘。少し不気味な話で、後味はよくない。あまり楽しめませんでした。2024/06/21
rosetta
34
★★★✮☆その鐘を鳴らすと望みが適う、但し自分は無間地獄に落ち子供も不幸になるが。難破した船から水夫達が避難した小屋に現れた美貌の僧十三童子が鐘を叩いた人達の物語を語り聞かせる。どうやら童子は何百年も生きているらしい。必ずしも欲に塗れた人間ばかりでは無いし、全員が不幸になった訳でもなく、普通に心温まる話もある。少しづつ重なる登場人物たち。そして全体を貫くのはある盗賊団の悪事。なるほどなぁとそれなりに納得の一冊だが、童子の正体は読者の判断に委ねられるのか?2024/08/22
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